出版社内容情報
丘の上に、いっぽんのエノキの木が立っていました。春、落ち葉の下で目を覚ましたオオムラサキの幼虫は、エノキの幹をのぼりはじめました。葉っぱを食べて大きくなって、やがてオオムラサキの成虫になるのです。エノキには、ほかにもフクロウやタマムシ、カエルや小鳥など、四季を通して様々な生き物が集まってきます。1本の木を舞台に、人と共に生きる豊かな自然環境「里山」で育まれる生き物たちの姿を“切り紙”で描きます。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ちえ
35
読友さんのレビューで今森さんが切り絵もすると初めて知った。直後、図書館で見つけた借りてきた絵本。今森さんが現在、復元・整備している荒れ果てた竹林の中からあらわれたエノキがこの本のアイデアになっているという。素晴らしい切り絵。最後見開きのページの「エノキとオオムラサキの1年」の(ここだけ)写真に20年ほど前に栗山町にオオムラサキを見に行ったことを思い出した。2019/09/16
たーちゃん
31
息子が選んだ絵本。白黒で描かれているのですが、一本の木に集まる動物や虫が出てくるので息子は最後まで楽しめました。2021/01/20
たまきら
31
今森さんの切り絵にうっとりしながら、毎年訪れるサイクルを楽しむ絵本です。先日彼のお宅の写真集を手に取りうっとり。様々な木が植えられ、様々な動物がわいわいやってくるおうち。海も山も好きですが、山ほど動物の気配に満ちたワクワクする場所は自分にはありません。雑木林の中で犬と一緒に遊ぶことが一番好きな週末の過ごしかただった「変わった女の子」はそのままおばちゃんになり、一冊の絵本から同じ気持ちの人がほかにもいたことを知ってうれしくてたまりません。2020/02/22
anne@灯れ松明の火
24
新着棚で。表紙のタイトル文字はカラフルだけど、中身はすべてモノクロの切り絵の世界。エノキの木が、オオムラサキの幼虫の成長を語る。巻末に、登場した生き物のカラー写真があり、鮮やかさにハッとする。「おわりに」には、今森さんの里山の復元活動への思いがあふれている。2019/09/18
ヒラP@ehon.gohon
20
作者がエノキを通して、里山の自然を愛情たっぷりに描いています。 黒い紙を使った、シルエットの切り絵絵本です。 夜の風景のようで、神秘的な絵本です。 想像力をかきたてられ、細部にまで目を奪われました。 写真での種明かしと、今森さんの解説も、この絵本の魅力です。2019/09/23




