出版社内容情報
小さなつぶからうまれたちび竜は、水たまりからとびたち、いろいろな生き物に出会う。とんぼからは飛び方を、フナからは「うろこ通信」のやり方を教えてもらい、ほかにもたくさんのともだちに出会って、あそび、風や水や土となかよくなった。どんどんでかくなっていったちび竜は、やがて、光る青い地球を抱いて……。うたうような工藤直子の言葉と、繊細かつ迫力あるあべ弘士の絵が、地球にあふれるいのちをゆかいに、壮大に描く。
内容説明
ボウフラ、てんとうむし、もぐら、風、水、土…地球はともだちにあふれている。
著者等紹介
工藤直子[クドウナオコ]
1935年台湾生まれ。コピーライターとして活躍後、詩人・童話作家になる。詩集『てつがくのライオン』で日本児童文学者協会新人賞、童話『ともだちは海のにおい』でサンケイ児童出版文化賞、『ともだちは緑のにおい』で芸術選奨文部大臣新人賞受賞(いずれも理論社)。2004年、これまでの仕事に対して、巌谷小波文芸賞を受賞
あべ弘士[アベヒロシ]
1948年北海道生まれ。旭山動物園飼育係として25年勤務ののち絵本創作に専念。絵本『あらしのよるに』(講談社)で講談社出版文化賞絵本賞・産経児童出版文化賞JR賞、『ゴリラにっき』(小学館)で小学館児童出版文化賞、『宮沢賢治「旭川。」より』(BL出版)で産経児童出版文化賞美術賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ままこ
97
小さなつぶから生まれたちび竜の壮大な成長物語。さまざまな生き物に出会い、おおらかな自然にはぐくまれながらぐんぐんたくましく成長する。あべさんの絵も素晴らしくモノトーンに差し込まれたカラーが効いていている。生命の躍動感。工藤さんの軽やかでいて力強い文が読んでいてとても心地いい。何度でも読み返したくなる清々しい素敵な絵本。 2020/06/30
☆よいこ
80
絵本。辰年に向けて竜の本を探し中▽生まれたてのちび竜はボウフラサイズ。ぼくは誰?と聞くとボウフラ達は歌いながら教えてくれた「あんた、ここから、とびだして、どんどん『でか竜』になる」それから水を飛び出したちび竜は「いっぱいクンレンして」たくさんの生き物に様々なことを学ぶ。そしていまちび竜は…▽見開きページいっぱいのでか竜に圧倒されます。「どんなすがたもぼくである/どんなしごとものくはやる/ぼくはどこにでもいる/なににでもなる/そしてかならず/きみのこころのなかにも/いる!」▽読み聞かせ12分。2019年刊2023/12/06
ふう
79
読友さんの感想で知った本。自然の繊細さ、自然の雄大さ、何よりちび竜のかわいらしさに惹きつけられながら読みました。小さな小さなちび竜が、動物や植物たちに一つずつ大切なことを教わりながら、とてつもなく大きな竜へと成長していきます。目には見えなくても、わたしたちは自然からこんなふうに生きる力をもらっているのだと気づかされます。言葉と絵と想像力が生み出す世界のすばらしさ。それが一人一人の心の中にあるのだと、青い地球を抱きしめる竜が語りかけているようです。アラスカを思わせる絵が星野さんの思いと重なってしまいました。2023/08/08
はる
75
生命力溢れる物語。工藤直子さんのリズミカルな散文と、あべ弘士さんの迫力ある絵の世界に引き込まれます。生まれたばかりの小さな小さなちび竜。様々な出会いと経験を繰り返し、少しずつ成長していく……。読む子供たちに、勇気を与えてくれる物語だと思いました。ラストの見開きの場面は感動的。2023/10/21
さつき
74
蓮鉢の中でボウフラと一緒に生まれたちび竜。最初は何も出来なかったけど、とんぼにとびかたを習い、フナやもぐらに水と土について教わり、どんどん大きくなっていく。その姿はキラキラ輝いて、ぐんぐん伸びる子供そのもの。周りの親切を素直に受け入れ、新たな知識を吸収していく様は力強く逞しい。たとえ困難がふりかかっても、どこかに必ず助けはあるはず。それは優しい友達かもしれないし、自分自身の信念かもしれない。真っ直ぐ大きく成長してほしいという願いのこもった作品。2021/04/30
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