出版社内容情報
なぜ、どうして彼らは何万キロもの旅をするのか――。世界中のわたり鳥を通して生命の尊さを描く壮大な自然のドラマ。
鈴木 まもる[スズキ マモル]
作・絵
内容説明
世界のわたり鳥113種の旅―空を旅する命のものがたり。
著者等紹介
鈴木まもる[スズキマモル]
1952年東京都生まれ。東京藝術大学工芸科中退。「黒ねこサンゴロウ」シリーズで赤い鳥さし絵賞、『ぼくの鳥の巣絵日記』(ともに偕成社)で講談社出版文化賞絵本賞、『はしれディーゼルきかんしゃデーデ』(童心社)で住田物流奨励賞特別賞、『ニワシドリのひみつ』(岩崎書店)で産経児童出版文化賞JR賞、『世界655種 鳥と卵と巣の大図鑑』(ブックマン社)であらえびす文化賞を受賞。鳥の巣研究家として絵本・画集・エッセイなどの著作も多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
馨
77
絵本ですが、大人が読んでも勉強になります。絵もリアルです。世界中に渡り鳥はいて、それぞれ季節が来たら海を渡り、高い山を越えて日本やイギリス、アメリカ等にやってきて命を育てる鳥たち。ワシにやられたり、風力発電のプロペラに当たるなど危険な目に遭ったり、途中の休憩場所が人間の手によってなくなってしまったりしても、命がけで渡り鳥はやってきます。毎年無事に渡ってきてくれることを感謝したくなりました。また、南極と北極を行き来する渡り鳥には驚愕でした。2017/04/02
yukision
76
ハチクマやウズラ、ハチドリまでもが渡り鳥だったとは。自然が変わっても迷わず目的地まで飛び続けるだけでもすごいが、8000メートルのヒマラヤ山脈を越えるインドガンや北極から南極まで渡り、北極まで戻ってくるキョクアジサシは驚異的。鳥の巣研究家だけあり、鳥に対する温かな目線も感じられ、おまけに勉強にもなる絵本。2021/08/02
クリママ
55
カッコウやホトトギスなど、初夏になると声が聞こえる鳥がいる。5000㎞も離れた東南アジアから渡ってくる彼ら。世界には、8000mの山を超える鳥、北極、南極を移動する鳥など、安心して卵を産み育てることのできる場所へ帰る、数十億羽の渡り鳥がいることに驚く。なんと過酷な一生。それは、祖先が恐竜だからなのだろうか。でも、途中羽を休める場所も、せっかく帰ってきた場所も、人の手によって破壊されていることがある。なんということだろう。「せんろはつづく」などの鈴木まもるさんの絵は、写実的でありながらも温かい。2021/12/13
chiaki
48
世界のわたり鳥の生態が、鈴木まもるさんの易しいことばと絵で知ることができる良書。春、遠く5000キロも離れた南の国から100種類以上もの鳥たちが、冬には3000キロも離れた北の国から100種類以上の鳥たちが日本にやって来ていると知って驚きました。長い長い旅の途中命の危険にさらされながらも、本能に従い、地球の動き、風や雲の流れ、匂い、景色を感じながら迷わず飛んでいけるんですね。自然界の神秘を感じます。キョクアジサシ、北極から南極まで地球を半周して渡るとは!!!2021/03/28
たまきら
34
おお!さすが鈴木まもるさん。とにかくくわしいです。どこからどこへ、いつ、なんのためにむかうのか。この不思議な鳥の習性をたった一冊の本で網羅できる楽しさ。東京の子でも見やすいツバメやカモから始まり、南極⇔北極を行き来する鳥まで広がっていく流れがすごくスムーズでわかりやすかった。大変勉強になりました。2019/01/30