内容説明
のうさぎの子は、しにものぐるいでゆきをけります。ゆきをけって、けって、けりあげます。いきのつづくかぎりゆきをけり、まえへ、まえへととびだしてゆきます。あしをとめたそのときが、のうさぎの子のいのちのおわりなのです。
著者等紹介
いまむらあしこ[イマムラアシコ]
今村葦子。1947年生まれ。作品に『ふたつの家のちえ子』(野間児童文芸推奨作品賞/芸術選奨新人賞/坪田譲治文学賞)『良夫とかな子』『あほうどり』(3作で路傍の石幼少年文学賞・いずれも評論社)『かがりちゃん』(野間児童文芸賞・講談社)『ぶな森のキッキ』(絵本にっぽん大賞・童心社)『まつぼっくり公園のふるいブランコ』(ひろすけ童話賞・理論社)他多数
あべ弘士[アベヒロシ]
1948年生まれ。元旭川市旭川動物園飼育係。作品に『あらしのよるに』(講談社出版文化賞絵本賞/産経児童出版文化賞JR賞・講談社)『ゴリラにっき』(小学館児童出版文化賞・小学館)「ハリネズミのプルプル」シリーズ(赤い鳥さし絵賞・文溪堂)他多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ヒラP@ehon.gohon
30
雪に包まれた世界の中で、動物たちの厳しい命の攻防が描かれています。母からはぐれたのうさぎの子は、自然の中に潜み母との再会を祈ります。 その静寂から一転、命がけの疾走に変わるところは、何か交響曲を聴いているような感じもしました。 意味深げなラストも良いですね。 母親との再会が待っているのでしょうか。 思いもかけず、動物たちの命のドラマを描く絵本を手にしました。2022/02/03
anne@灯れ松明の火
24
隣県、テーマ「雪とこおりのえほん」コーナーで。今村さんに惹かれて。母とはぐれたウサギの子の生きるための疾走に釘付け。そして、「とん!とん!とん!」「いきる よろこびの ばくはつ」に、私の胸も高鳴った。やっぱり今村さんってスゴイな! あべ弘士さんの力強い絵も素晴らしい。この季節にオススメ。初めて行った憧れの図書館で、これを読めて良かった。2017/02/01
gtn
21
因果応報を信じるしかない。悪が自滅するのを我慢できず、最悪の結末を迎えるのは、哀れだが愚か。2022/03/05
Lesen
21
お母さんとはぐれてから1人。ある晩、ふくろうと狐に狙われて。静かな夜、雪の音や森の動物達の息遣いでさえも聞こえて来そうな絵本。緊迫感あふれる絵本。「野生の兎は大変だね。でも家の兎も沢山モフられて大変だね。」と子供。2019/03/15
いっちゃん
19
自然の厳しさが伝わる。幼いうちにお母さんと別れ、命懸けで生きている感じがよくわかる。2017/02/15