出版社内容情報
シンポジウム「歴史遺産と自然遺産」の内容を含め、従来の環境問題研究において十分に取り組みがなされてこなかった領域に焦点を当て、気鋭の研究者が論及。
内容説明
歴史・自然のパースペクティブから環境の「質」を問う。アメニティに関する社会科学的研究の入門書。
目次
巻頭論文(20世紀の環境問題をふりかえって)
シンポジウム(歴史遺産と自然遺産)
アメニティと歴史・自然遺産(アメニティの経済学;アメニティ保全と経済思想―若干の覚え書き;アメニティー・ケイパビリティー・風土―風土を取り戻すために;文化遺産の広がりとその価値づけに関する考察―世界遺産を例に ほか)
環境論壇(地域・並行通貨による環境保全の可能性―ゲゼル=ケインズ方程式およびトロント・ドル等式からの検討)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
壱萬参仟縁
40
寺西俊一先生は、経済学分野の研究者の多くが、アメニティ保全をめぐる問題への感性に欠け、経済学的研究における重要テーマとして受け止めるだけの視野の広さを持ち合わせていないという(68頁)。ラスキンから継承すべきこととして、“the right thing to the right man”(「行くべき人のところに行くべきものが行く」)という都留重人先生を経て豊かさを根本的に問い直すアメニティ保全の経済思想を発展させるべきだという(72頁)。御意。後半の農村アメニティについては、他著に委ねておきたい。2017/05/15
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