内容説明
元・大手パチンコチェーン役員が明かす、パチンコの真実。本書では、パチンコをグローバルなゲーミングビジネスのひとつと位置づけ、経営や経済、あるいは社会的視点からその問題点を探り、解決策を模索し、著者なりの提言もしている。パチンコの歴史的な生い立ち、パチンコを生み育てた民族性、ギャンブルを好む心理、「射幸性」などといったやわらかいテーマについても、章末コラムにまとめた。
目次
第1章 パチンコの面白さ、そして危うさ
第2章 なぜだ!パチンコ人口半減なのに30兆円維持のカラクリ
第3章 パチンコと技術介入―この世界に類を見ないルール
第4章 メーカーは上場できて、なぜホールはできないのか?
第5章 パチンコの謎―換金問題
第6章 パチンコの闇―釘調整と設定
第7章 パチンコヘビーユーザーと「下流社会」
第8章 韓国パチンコ―ゲーミングの国家戦略
著者等紹介
佐藤仁[サトウヒトシ]
1946年、札幌市生まれ。日本海外旅行、日本エコノミストセンター勤務を経て、研修企画、出版企画の(株)ベル教育システムを主宰。1992年、大手パチンコホールチェーンの(株)ダイナムに入社。秘書・広報担当、北海道統括事務所長、取締役人材開発部長、取締役営業統括部長、取締役商品部長を歴任、2006年9月退任。現在は執筆、講演を中心に活動中。東京在住(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
mazda
33
どう考えても、パチンコは娯楽ではなくギャンブルだと思います。やはり三店交換の考え方に無理があるし、まさか「球をはじくため」ホールに通う人はいないでしょうし…。パチンコ台の許認可を出すのが警察の外郭団体で、違法改造している台を取り締まるのも警察だから、どうやったって無理がある。日本人はギャンブル依存症になる人が多いそうなので、パチンコのギャンブル性を考えるにはいい機会なのではないでしょうか?30兆円産業とかいいますが、この本を読むとこの数値がまやかしだということがわかります。2014/09/10
mittaka
1
とても興味深く読んだ。少なからぬ関わりがある業界なのに全然理解していなかった。ギャンブルの分類、そしてその本質を突く卓見「賭博の根底には人間の優れた特質である未来に対する積極性、好奇心、決断と熱情、それから生じる勝利の歓びと満足がある。そして敗北した場合も、次の機会に勝利を得ようという楽天性があったゆえに、絶えることなく続いてきた」に感心した。 ・参加するものと予測するもの。博戯と賭事 ・社会通念上の三分類 賭け事Betting 宝くじLottery ゲーミングGaming ・法律上クラスを三つに分ける 2019/07/09
ハルバルミチル
1
ダイナムの元取締役が書いたパチンコ業界についての本。著者も述べているように、世の中に「パチンコ」と名のつく本は数多あれどそのほとんどが攻略法に関するものであり、業界について分析した本がなかなか見当たらない。そんななか、この本はパチンコ業界の仕組みをわかりやすく解説している。『風営白書』、『レジャー白書』や『パチンコ参加実態調査』などといった統計資料が用いられている点も良かった。取り上げられている参考文献も興味深し。『パチンコホール法律ハンドブック 基礎編』(ダイナム法務部)とか。2017/03/21
ととむ
1
当時30兆円産業も今や20兆円。とはいえ、日本の農林水産で10兆円規模だしなあ。あまりに巨大で潰せないとこなんだろか。著者の肩入れがパチンコしない人にはややキモいが、歴史などに詳しく読みやすい。次作も読むか…2015/03/07
葉
0
パチンコの経済循環という題名の方があっている。ガチガチに回帰してロジットで消費者行動を分析し、台の選好と出方の相関などがデータから示されていると思ったが全くなかった。パチンコ業界の流れや歴史、釘の配置などの細かい話も入っている。パチンコ台の種類などは素人目から見るとほとんど似たようなものではないのかと感じるが、1台1台にストーリーがある。データや写真などが少しだけ載っている。最後はパチンコの規制や法律について載っている。2014/08/27