出版社内容情報
大店法の改正と運用見直し、酒類販売など個別分野の参入規制の緩和、独禁法の運用強化等、急激に進行する流通構造の変革、取引慣行の変化の実態を詳細に分析する。
内容説明
日本市場の規制緩和・廃止のなかで流通部門の占める比重は大きい。過去10年の流通規制緩和・廃止の評価は分かれている。楽観論者は小出し段階的と批判される規制緩和の動きが、それでもじわりときいている点に注目する。それに対して、慎重派は一連の措置が市場の核心部分に及んでいるとはいいがたいと考えている。規制緩和反対論者はまったく違う観点から問題を提起している。こうした流通規制緩和をめぐる種々の立場や議論を整理し、そこから将来の望ましい流通像と日本の方向を描き出すことができないか、というのが本書の基本的な狙いである。したがって特定の立場からの議論ではなく、経営者、外国企業、ジャーナリスト、経済学者、流通研究者とさまざまな分野の方々が自由に流通規制緩和の現状と課題を論じている。本書は編者が1995年から96年にかけて法政大学産業情報センターの運営に参加し、研究会や公開セミナーで流通問題を集中的に取り上げたことがきっかけとなり、でき上がった。
目次
1章 流通分野の参入規制緩和の動き―90年代の現状と展望
2章 外からみた日本市場の特殊性と変化
3章 規制緩和と競争政策の進展
4章 21世紀に向けての流通ビジョン
5章 流通チャネル戦略の転換
6章 価格革命と流通業の対応
7章 変わる競争政策と流通・取引慣行
8章 日本の出版流通の問題点―委託返品制を検証する