内容説明
従来の経済学では説明のつかないアノマリーの存在など、既存経済学の限界の超克を目指した「市場の微視的な構造」研究が80年代以降活発になった。「流動性」、「取引費用」、「情報を反映した価格」、「ボラティリティ」、「取引利益」をキーワードに、その全容に迫る。
目次
第1部 取引の構造(取引業界;注文と注文の性質 ほか)
第2部 取引のメリット(なぜ取引をするのか;良い市場)
第3部 投機家(情報トレーダーと市場の効率性;注文予想屋 ほか)
第4部 流動性提供者(ディーラー;ビッド/アスク・スプレッド ほか)
著者等紹介
ハリス,ラリー[ハリス,ラリー][Harris,Larry]
ニューヨーク証券取引所における勤務経験を有し、現在は米国証券取引委員会のチーフ・エコノミストであると同時に、南カリフォルニア大学のマーシャル・スクール・オブ・ビジネスのFred V.Keenanによる寄附講座の責任者としてファイナンスの教鞭をとっている。また、金融計量研究機構(通称Q‐Group)のリサーチ・コーディネーターでもある。現在までJournal of Finance、Review of Financial Studies、Journal of Financial and Quantitative Analysisのアソシエート・エディターを務めており、Financial Analysts Journalの編集委員会メンバーでもある。経済学博士号を1982年にシカゴ大学で取得している。マーケット・マイクロストラクチャーと投資マネジメントが専門で、取引規則、価格変動(ボラティリティ)、インデックス市場、市場規制に関する多くの著作を世に送り出し、トレーダー、取引所、投資銀行、規制当局などに対するコンサルティングを行ってきた。また、著作はその明快な説明ぶりから、他の論文においても頻繁に引用され、幅広く支持されている。MBAや学部の学生向けにトレーディングに関する革新的なコースを開設し、教育者としても高い評価を得ている
宇佐美洋[ウサミヒロシ]
東京大学大学院法学政治学研究科修士課程修了。国連食料計画特別顧問、一橋大学商学部客員教授等を経て、多摩大学大学院教授、青山学院大学院国際マネジメント科客員教授
濱田隆道[ハマダタカミチ]
東京大学経済学部卒業。経済産業省大臣官房審議官(産業技術担当)を経て、現在、東京工業品取引所専務理事、同所市場構造研究所所長、多摩大学大学院客員教授
小野里光博[オノサトミツヒロ]
東京大学工学部卒業。デベロッパー、シンクタンク勤務を経て、現在、東京工業品取引所理事、同所市場構造研究所副所長、多摩大学大学院特別講師
山岡博士[ヤマオカヒロシ]
東京大学工学部卒業。大和銀行勤務を経て、現在、東京工業品取引所市場構造研究所事務室長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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