内容説明
マーケティングの天才の「成功法則」は、なぜ15年しか通じなかったのか?「天才作詞家」であり、「市場の開拓者」「時代の企画者」異能の「怪物」の正体に迫る、初の本格的評伝。
目次
第1章 ヒットメーカー阿久悠の軌跡
第2章 「反転」の発想法
第3章 パロディを多用する意味
第4章 何が「阿久悠」を生み出したのか
第5章 阿久悠が「歌詞」を書けなくなるまで
第6章 阿久悠亡きあと―平成という「私」語りの時代
著者等紹介
高澤秀次[タカザワシュウジ]
1952年北海道生まれ。早稲田大学第一文学部卒、評論家。民俗、芸能史から文学、思想史まで幅広いジャンルに意欲的に取り組み、特に作家や思想家の評伝を書かせては鋭い切れ味を発揮する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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弦舞茶
7
★★★★☆流行歌とは何か、希代の作詞家を通して学べた気がする。今の世の中に流れてる曲の見方も違ってくる気配がします。2014/02/26
kenitirokikuti
6
図書館にて。2008年刊行。元は東洋経済オンラインの連載だそうな。著者は1953年生まれでウィキペによると〈中上健次研究の第一人者〉とあり、本書もその線の上にあるようだ。わたしは1974年生まれのファミコン世代なので、昭和歌謡には直接染まっていない…と言いたいところだが、阿久悠の作詞曲については児童TV番組のピンポンパンやポンキッキで耳に入ってるっけ▲資本主義を擬制と批判する論調についてはうんざりする。「ヘッドフォンは点滴だ」という阿久のことばについても同様。あの過去にいた我らを侮蔑するなと言われてもなァ2022/06/17
Kolon
2
我々の世代にとって阿久悠という作詞家は巨匠だ。しかし彼の履歴を辿ると70年代にピークを迎えた後の時代においては彼の居場所が無くなっていることに気が付く。阿久はスター誕生という番組を企画し、そこから出て来る新人をプロデュースしながら詞を提供することでヒット作家の地位を構築した。くしくも番組と育成したタレントの低迷共に阿久の活動が減る。 現在、秋元康の行っている手法は阿久の手法の改良版だが、秋元の方が寿命を永らえている。 この二人の違いは何だったのだろうか? 2024/09/02
maito/まいと
2
先日未発表の作品が公開された、戦後の名作詞家阿久悠さんの生涯を綴った評伝。失礼ながらこの本読むまで阿久さんのことを存じ上げず、また作詞家へのイメージも非常に曖昧なモノだったが、本書を読んで、阿久さんが積み上げてきた、言葉と時代のマッチングバランスに圧倒された。より人に届く言葉やセンテンスとは何か、ストイックに見つめ続けた1人のヒットメーカーの生涯は、「何かを磨き上げること」のすばらしさと過酷さを突きつけてくる。また、本書ではJーPOP主流の現代へ警鐘を鳴らしており、音楽の移り変わりを学ぶにもオススメです。2011/10/05
tulip
1
●「欲望の規制緩和」を地でいく“引かない女”の市場化 ●高度成長期の「飢餓」と「憧憬」 ●「ペッパー警部」のもつ多重パロディ構造 ●アンチヒロイン型「松田聖子」の登場 ●歌が空洞化する時代へ2017/05/03
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