内容説明
新進気鋭の経営学者が豊富な取材に基づく企業事例と古今東西の蘊蓄で語り出すこれからのビジネスでの戦い方。
目次
さよなら技術神話
新しい「文化」を開発する
「問題」そのものを開発する
独自技術なんていらない
組織という病
「現場の本社主義」宣言
価値のエコシステムをデザインせよ
ステータスと仲間をつくれ
ビジネスの外側に目を向けよ
地域コミュニティにおける商品開発
希望はどちらにあるか
著者等紹介
三宅秀道[ミヤケヒデミチ]
東海大学政治経済学部専任講師。1973年生まれ。神戸育ち。1996年早稲田大学商学部卒業。都市文化研究所、東京都品川区産業振興課などを経て、2007年早稲田大学大学院商学研究科博士後期課程単位取得退学。東京大学大学院経済学研究科ものづくり経営研究センター特任研究員を経て、2010年より現職。専門は、製品開発論、中小・ベンチャー企業論。これまでに大小千社近くの事業組織を取材・研究。現在、企業・自治体・NPOとも共同で製品開発の調査、コンサルティングにも従事している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
№9
27
「価値とは存在ではなく、現象である」とか「答えを磨くのでなく、問いを立てる」など前頭葉を刺激するキーセンテンスがあり、仕事を考えるヒントが散りばめられているのだが、サブタイトルにあるように確かに「余談」が多く、読むのがしんどい。さぞ御高齢の教授然とした著者かと思いきや1973年生まれだから意外なほど若い。もっとポイントを絞って語ってもらったら良かったな。2014/05/13
デビっちん
23
中小企業を中心に丹念に調査した具体例がたくさん記載されていましたが、言いたいことはシンプルに感じました。過去の成功体験や高度な機能、技術があるほど、返ってそこに囚われ新しい市場をつくることができないんですね。技術力があるから市場を開拓できるのではなく、新しい文化や生活習慣で必要とされる価値があるから市場が創出されるのです。そのためには新たな問題を見出す力が必要で、そのヒントが記載されていました。タイトルの補足として「余談の多い」とありますが、これも新たな市場(考え)を見出すために必要な周辺だと感じました。2017/03/07
犬こ
23
サブタイトルに小さく「余談の多い」とあり、本当に余談が多く(笑)、各章知りたいところに行き着くのに時間がかかるわけですが、最後の章は響いてくるものが数多く、人によってはこの最後の章を読むだけで、新しい市場をつくるための何かしらのヒントや気づきがあるかもしれません。2016/11/25
Hidetada Harada
17
「知らない人と最後に友達になったのはいつですか」。目から鱗の問いでした。日本企業の現状を説明するのに、十分に説得力のある分析でした。個人的には、組織から与えられた仕事をこなす事で、いっぱしのビジネスマンになったつもりでいた自分に気づかされました。テレワークのおかげで会社や社会との距離感が変化した今、一個人の有り様も大きく変化しています。この変化をチャンスとしてモノにできるかが、これからの人生に大きく影響しそう。当事者意識と世界への優しを持ちつつ、日々勉強を重ね、問題開発者を目指します。2020/07/27
中年サラリーマン
17
分かりやすいし面白い。マーケティングにおいて課題をソリューションというのはよく聞く話。しかし本書は、「課題を開発する」にはどうすればいいかを著書の中で一緒に考えていこうというコンセプト。世の中にない商品が売れるかどうかは分からない。なぜ売れるかなぜ売れないかの情報事態が存在しないからだ。となるとなぜこの商品が必要なのかのストーリー自体を構築しなければならない。だから本書は短期的なマーケティング手法からは一線をがすしこれを会社で浸透させていくのはよほど信念をもって取り組まないと大変だと思う。が、オススメ本。2014/03/21