出版社内容情報
過去70年間、日本はアメリカ主導の自由で開かれた国際秩序から、最も利益を得てきた国の一つである。中国も1970年代以降、この秩序の最大の受益国の一つに加わり、数億人の市民を貧困から救い出すことができた。
アジア太平洋地域の発展を支えた、このような自由で開かれた国際秩序とは、アメリカが保証するハードパワーを背景に、開かれた形で国家間の関係を治める一連のルール、規範、そして制度をいう。それは安全保障秩序、経済秩序、人権秩序という三つの柱から構成される。ところがアメリカのトランプ政権はこの秩序を自ら破壊しつつあり、それは国際秩序をめぐって日本が抱える根本的なジレンマを露呈させることになった。
本書は、安倍政権下の政策を分析・評価し、政治的・社会経済的な制約を考慮しつつ、アジア太平洋地域における自由で開かれた国際秩序を守り、 それを改革するために日本はどうすべきかを提案する。
内容説明
本書は、安倍政権下での政策を分析・評価し、日本がアジア太平洋地域における自由で開かれた国際秩序の維持と改革へ向けて、どう取り組むべきかを示す。外交政策と国内政治の両面から現状を分析・考察し、日本の役割を具体的に提案している。
目次
日本と自由で開かれた国際秩序
第1部 外交政策(積極的な安定力:アジア太平洋安全保障秩序における日本の役割;追随からの脱却:自由貿易秩序の先導者;改善主義的な現状維持国:国際機関へのアプローチ;普遍性から多元化へ:日本外交における価値;核ガバナンス:「同盟のための原子力」)
第2部 国政(平等主義的な分配政策と制限的な移民政策:日本モデルの発展と課題;日本型ポピュリズム:フワッとした民意、突風と熱狂;歴史問題:不完全な自由主義;憲法:柔軟さがもたらす強みと弱み;静かな国民:ネット時代における日本のジャーナリズムの行方)
第3部 日本国民(独自調査:日本の国際秩序観)
著者等紹介
船橋洋一[フナバシヨウイチ]
アジア・パシフィック・イニシアティブ理事長
アイケンベリー,G.ジョン[アイケンベリー,G.ジョン] [Ikenberry,G.John]
プリンストン大学ウッドロー・ウィルソン公共政策大学院教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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