内容説明
マイクロファイナンスは開発途上国の貧困への援助だけでなく、国内の貧困に対しても有効な手段である。財政の制約や市場経済の先鋭化が懸念される中で、公でも民でもない「第三の道」であるマイクロファイナンスは、サステナブルな社会を作るカギになる。
目次
第1章 マイクロファイナンスのビジネスモデル
第2章 そもそもなぜ貧困対策が必要なのか?
第3章 企業にマイクロファイナンスは可能か?
第4章 金融機関及び一般企業へのマイクロファイナンスのすすめ
第5章 市民へのマイクロファイナンスのすすめ
第6章 政府へのマイクロファイナンスのすすめ
第7章 マイクロファイナンスの普及、そしてマイクロファイナンスを超えて
著者等紹介
菅正広[カンマサヒロ]
北海道大学公共政策大学院教授。1956年生まれ。1980年東京大学経済学部卒業、同年大蔵省入省。1984年英国ケンブリッジ大学修士(MA)。相馬税務署長、国税庁・証券局課長補佐、主計局主査、OECD(経済協力開発機構)税制改革支援室長、財務省国際局・関税局課長、財務局部長、預金保険機構部長、大臣官房参事官などを経て、2007年7月より現職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ヒデミン@もも
23
購入2017/11/23
なーちゃま
3
今までMFを日本の貧困に置き換えて考えたことがなかった。貧困を3段階に分け、意欲も能力もある貧困層をMFの対象とし、意欲なしはカウンセリングのちMF、障碍など働けない人を公的セクターの支援対象とすることに私も賛成。ユヌス氏の『人々の社会に善い活動をしたいという気持ちが資本主義には組み込まれていない』、つまり市場の失敗というより(資本主義という)概念化に失敗している、という言葉は説得力がある。グリーン購入などのエコロジー的近代化とは異なり社会的利益を第1とし経済的利益も求めて自走させる経済システムがMF。2020/07/23
syatsuzuka
0
マイクロファイナンスは今や、途上国だけのものではなく、アメリカでも活用が進んでいる、というのが発見でした。それは移民等によりアメリカ国内で経済格差が広がり、国内に貧困層が広まっている、と言うことなんだと思いますが、それは日本も同様なのではないか、と言う気がします。マイクロファイナンスでもHigh yieldを求める動きがあるなど、影の部分があるようですが、それでも、担保を求めないマイクロファイナンスでビジネスが成立している、というところに、人々が必要としているファイナンスと言う印象を持ちました。2015/12/10
山口 公大
0
マイクロファイナンスの全体外観がわかる本2020/05/08
うーひー
0
マイクロファイナンス。融資額が少額であることがSRIとの大きな違いであると認識しているが、融資額が少額であることの意味は、借り手が借りやすいという点だけなのか。一件あたりの融資額が少額であることのコストをどう乗り越えているのか理解できなかった。 2018/10/02