出版社内容情報
経済大国ともてはやされた日本は、今や前途に暗雲が漂っている。英・米の盛衰をたどり、中国などアジアの追上げに直面する日本のゆくえを国際比較史の視点で分析。
内容説明
ジャパン・アズ・ナンバーワン、経済大国日本、さらにパックス・ジャポニカの到来かともてはやされた1980年代と対照的に、90年代の、いわば世紀末の日本経済は今や前途に暗雲がたちこめている。日本の経済的繁栄の時期はわずか40年余、まさに一瞬の出来事にしかすぎない。わずか30年から40年で日本経済が一挙に経済大国へと昇りつめると同時に、ただちにオフ・ピークに向かい、1992年に下り坂の第一歩を踏み出しはじめた事態とははたしてどのような理由によるのだろうか。今後の日本経済はいかなる方向に歩むのか。21世紀の日本に未来はあるのか。本書は、こうした課題に応えるために、かつてパックス・ブリタニカ、パックス・アメリカーナの盟主として、文字どおり経済大国として世界をリードしたイギリス、アメリカの盛衰をたどりながら日本経済の過去・現在・未来を大国の興亡史の視点から具体的・実証的に分析しようとする試みである。
目次
第1章 経済大国日本の特徴―イギリス・アメリカと比較して
第2章 繁栄の中心地の国際移動―約200年の経済パフォーマンス
第3章 経済的繁栄への鍵―サクセス・カントリーの条件
第4章 経済大国イギリスの盛衰―パックス・ブリタニカの運命
第5章 経済大国アメリカの盛衰―パックス・アメリカーナの運命
第6章 経済大国日本の運命―幻のパックス・ジャポニカ
おわりに 中国の復興と日本