内容説明
市場経済は果たして成功するのか?問題含みの中国経済の内情を赤裸々に描く。
目次
第1章 市場経済で、利益を!―難航する企業改革
第2章 「二つの路線」の葛藤と現代―毛沢東と〓小平
第3章 企業資産は、誰のもの?―所有権の変革を目指して
第4章 国有企業活性化のための切り札―株式制と発行市場
第5章 神話誕生―「株は必ず儲かる」―整備を急ぐ流通市場
第6章 銀行は、果たして金融機関か?―商業銀行化と資金市場
第7章 投資飢餓症侯群―投資ブームと経済過熱
第8章 長期下落傾向の「人民元」―外貨管理と「元」の国際化
第9章 二一世紀の中国と共産党―どんな国を造るのか
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
boggie999
1
恩師平田昌弘教授が93年に出版した中国市場経済の実態を赤裸々に暴いた一冊。タイトルが何とも挑発的。先生らしい。 この時点ですでに金融改革、インフレ、国有企業改革、ボトルネック状態など中国経済発展のアキレス腱になりかねない案件に問題提起がされているが、結局江沢民時代では何一つ解決されなかった。それは現在も然り。一番の問題はやはり地域格差の問題。朱鎔基が提唱した西部大開発も号令だけ。今まさに内陸から中国経済は破綻を始めている。先生は93年の時点でこのことには気付いておられたのだろうか?今度是非、お聞きしたい。2019/12/21