出版社内容情報
なぜ世界一の金持ち国で大停滞が起こってしまったのか? 「動学マクロ経済学」の立場から、日本経済の「失われた20年」を分析。
なぜ世界一の資産大国で経済の大停滞が起こってしまったのか? なぜ、90年代以降の経済・財政政策はなぜ効果が出なくなかったのか? 「資産」と「負債」のバランスという視点から、日本経済が長期低迷に陥った真因を分析する。
もっと豊かになりたいということが、所得を増やすとか、もっと多くのモノやサービスを買いたいとかいうことであれば実現は可能だ。経済成長の理論は、技術進歩によってもっと多くのモノやサービスを生産するという意味で、より豊かになれると結論付けている。しかし、これまで日本の家計が望んできたように、所得を増やすだけでなく、所得に対してより多くの資産を保有するということはが実現できるだろうか?(中略)本書の主張は、日本経済は資産の厚みを増そうという努力が限界に突き当たっており、これまで通りの考え方で、もっと資産を増やして豊かになろうということに無理が生じているというものだ。その背景にあるのは、ストックとフローの比率を永久に上昇させることは不可能だというものであり、我々が今直面している経済の低迷は、その壁にぶち当たったからではないかという仮説である。(第1章より)
【本書の目次より】
第1章 増加する金融資産
第2章
内容説明
なぜ資産を増やすほど、「豊かさ」が失われてしまったのか!?「資産」と「負債」のバランスという視点から、日本経済が長期低迷に陥った真因を分析する。
目次
第1章 増加する金融資産
第2章 金融資産は誰かの債務
第3章 対外金融資産
第4章 お金と経済
第5章 借りたお金と自分のお金
第6章 資産の価値
第7章 ストック経済化の限界
第8章 資産価格の引き上げ
第9章 ギリシャ化する日本
第10章 高齢化と金融資産
第11章 取り組むべき課題
著者等紹介
櫨浩一[ハジコウイチ]
株式会社ニッセイ基礎研究所専務理事。東京工業大学大学院連携教授。1978年東京大学理学部物理学科卒業。1980年東京大学大学院理学系研究科修士課程修了。1990年米国ハワイ大学大学院経済学修士。1981年経済企画庁(現内閣府)入庁(経済職)、1992年ニッセイ基礎研究所入社、2012年から現職。景気循環学会理事。専門は、マクロ経済調査、経済政策(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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