内容説明
日本の高度成長については、産業政策の成功や日本経済の特殊性をもって説明されることもあるが、これらは必ずしもなぜ日本において高度成長が始まり、そして終わったのか、またなぜ最近では日本以外のアジアでも高度成長がみられるのかといった疑問に完全に答えることはできない。本書は、さまざまな文献のサーベイと実証分析を交えながら、日本の高度成長の始まりから終わりまでを統一的な成長理論で説明する。
目次
序章 日本経済は普通の経済
第1章 傾斜生産方式は成功だったのか
第2章 ドッジ・ラインと朝鮮戦争
第3章 日本の高度成長と成長理論
第4章 日本の貯蓄率はなぜ高かったのか
第5章 高度成長と構造変化
第6章 高度成長とその終了―一体的な説明
第7章 産業政策と高度成長―展望
第8章 日本経済の特殊性―展望
著者等紹介
大来洋一[オオキタヨウイチ]
1943年東京に生まれる。66年東京大学経済学部卒業。同年経済企画庁に入り、70年ハーバード大学に留学(Ph.D.)。OECD代表部、調査局内国調査第一課長、調査局長、物価局長、経済企画審議官を経て、1998~2009年政策研究大学院大学教授。現在、政策研究大学院大学名誉教授、アカデミック・フェロー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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メルセ・ひすい
2
14-06 赤14-04日本的経済システムは特殊性無し、言われるほど日本だけが年功序列賃金制度でもない。…無条件降伏後 ボロボロズタズタの国土を‘45~‘51にかけてUSA.の援助ガリオア・イロアや「一種の革命」‘45春からのジョセフ・ドッジGHQ経済顧問によるドッジラインでインフレーション抑制。… ・米国の共産主義アレルギー赤狩りの朝鮮戦争による特需・輸出の急激な伸びで潤う!日本の貯蓄率は先進国中、特別に高くない、米国型市場経済による高度成長とともに膨れたもの。2010/10/15
doremi
0
2010年 専門書です。経済学部在学程度の知識を前提にしているので、専門用語に脚注はありません。戦後の経済成長から成熟に至る前後を含めて、それにまつわる通説をマクロデータにより検証するものです。一例を挙げますと、MITIが主導した傾斜生産方式は本当に効果があったのか、といったところです。この本だと、関係ないとしています。でもね、著者は、経済企画庁の出身なんですよ。自己否定に近いですよね。これが本当なら、無駄な組織に税金を投入して、さらに、ありがたがっていたということになってしまうのですよ。2010/11/16
蛮族
0
難しい話をしている 産業政策の有効性について議論していたが、よくわからなかった2024/09/19
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