1940年体制―さらば戦時経済 (新版)

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  • サイズ B6判/ページ数 248p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784492393956
  • NDC分類 332.107
  • Cコード C3033

出版社内容情報

1995年に出た同名図書に終章を加えパワーアップ。不良債権処理を阻む者は誰なのか?真の「抵抗勢力」とは誰なのか?全てが氷解する「今こそ読むべき本」。

内容説明

本書は、一九九五年に東洋経済新報社から刊行した『一九四〇年体制さらば戦時経済』の新版である。第一章から第一〇章までは、基本的に旧版のままの形で残すこととした。そして、九五年以降の変化と「四〇年体制論」の現時点での意義を考えるために、新たに第一一章を付け加えた。

目次

われらが出生の秘密
四〇年体制の確立(企業と金融;官僚体制;土地改革)
終戦時における連続性―戦後改革とその評価
高度成長と四〇年体制(企業と金融;摩擦調整)
四〇年体制の基本的理念
変化した環境・変わらぬ体制
未来に向けての選択
現時点での一九四〇年体制

著者等紹介

野口悠紀雄[ノグチユキオ]
1940年東京生まれ。63年東京大学工学部応用物理学科卒業。64年大蔵省入省。72年イエール大学にてPh.D.(経済学博士号)取得。一橋大学教授、東京大学教授を経て、2001年4月より青山学院大学教授。専攻、公共経済学。著書に、『情報の経済理論』(東洋経済新報社、1974、日経経済図書文化賞)、『予算編成における公共的意志決定過程の研究』(共著、大蔵省印刷局、1979、毎日新聞エコノミスト賞)、『財政危機の構造』(東洋経済新報社、1980、サントリー学芸賞)、『土地の経済学』(日本経済新聞社、1989、各務財団賞、不動産学会賞)、『バブルの経済学』(日本経済新聞社、1992、吉野作造賞)など
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

諏訪菜子

3
1945年の敗戦とともに日本の社会はそれまでと断絶したと思われた。そんな局面も多々あるが、経済面においてはどうだろうか……実は現在日本(1995年当時…そしてその後の2002年)の経済体制は戦前・戦中期に用意されたシステムの上に一貫して運営されているという論を展開する本書。社会保障制度や、従業員の運命共同体という日本型企業、日本型の労働組合などは全て1940年の戦時の統制という非常時にのっかって為された改革の結果であるという。経済が生活を作り、そして生活が個々人の精神を作る為、この本に書かれているのは(続2015/09/03

Kenji Ogawa

2
オリバーストーンの本に米国は世界大戦から戦時体制が継続しているとあったが、野口氏も日本も同様な体制が継続中。それを「1940年体制」として、40年を境に日本になかったものが導入され、今もそれらが継続している。たとえば、源泉制度と直接税の導入。間接金融の基盤。官僚統制による中央集権制度。借地借家制度による保守勢力確立。これらは戦時および高度成長期には大変効果を出した。低成長になりひずみが出ている。1995年発刊された本だが、全然古さを感じない、むしろ日本は何も変わっていない。2013/07/12

秋色の服(旧カットマン)

0
再版なので新しいのは最後の章。経済学者の分析だが、最終的な結論は、日本の政党政治のどうしようもなさに対する、悲痛な提言。この部分はもう本当にそのとおりと言わざるを得なくて気が滅入る。2016/04/27

富士さん

0
再読。福祉制度を考える上での必読書。1940年頃に流行った国家社会主義体制と福祉制度は不可分で、大量殺人と人権擁護は同じ車の両輪であることをいい加減前提にすべきだと思います。それが出来て初めて効果的な議論ができるのではないでしょうか。そう考えれば、戦時経済の思想までも否定すべきか疑問が出てきます。価値の中心を資本ではなく労働に置く価値観は確かに醜悪な部分もあり、個人的に恨みもありますが、金さえあればいいという価値への対抗価値であった側面もあると思います。そこを無碍に切り捨てるのが果たしていいのでしょうか。2015/11/12

taki

0
「現在の日本人には、政治的な代替案について選好を表明する機会が与えられていないのである」 「こうした状況が続けば、政策は政治的プロセスによってではなく、完全に官僚ペースで進められることになるだろう」 15年前に出た書とは思えないほど今の世の中ズバリついてます。 裏を返せば最低15年間は問題解決できてない日本ということです。 団塊世代ってのは思考停止世代か何かだったんでしょうかね? どうやら若者はオトナに怒って良いようだ。2011/01/19

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