経済学者たちの闘い―脱デフレをめぐる論争の歴史 (増補版)

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経済学者たちの闘い―脱デフレをめぐる論争の歴史 (増補版)

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  • サイズ B6判/ページ数 349p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784492371138
  • NDC分類 331.2
  • Cコード C3033

出版社内容情報

2003年刊『経済学者たちの闘い』の新装版。書き下ろし「リフレ戦記」を追加。今日への示唆に富む、論争の歴史。

経済学者とは何者か? 18世紀以降、経済学者たちは繰り返す不況を解決し、既得権益を打破しようと、論争・奮闘を繰り広げてきた。市場経済や自由貿易といった現代の仕組みは、そうした中で勝ち取られたものだ。
 そして、現在の日本。デフレは十数年に及ぶ。その処方箋としてリフレーション政策がようやく第一歩を踏み出した。我々は今、新たな闘いの目撃者となる。増補版には、書き下ろし「リフレ戦記」43ページを追加。

第?T部 経済学者たちの「勝利」と「敗北」
第1章 「欲張りなのはよいことだ」――マンデヴィルの世界
第2章 バブル崩壊後の経済学――二八〇年前のバブルと二人の銀行家 
第3章 何のための「セーフガード」か?――ヒュームと既得権益との闘い
第4章 誰が改革を担うのか?――スミスと既得権益との闘い 
第5章 歴史のなかの開発主義者たち――ハミルトンから村上泰亮まで 
第6章 ソーントンの前例なき要求――中央銀行の責任(1)
第7章 リカードウの新平価解禁論――中央銀行の責任(2) 
第8章 「影の大蔵大臣」バジョット――中央銀行の責任(3) 
第9章 経済学者は冷血動物なのか?――J・S・ミル対反経済学者たち
第?U部 二〇世紀最高の経済学者は誰か?
第10章 景気が良くなると改革が進まない?――シュンペーターとしごき的構造改革 
第11章 デフレと金本位制復帰――一九二五年春、ケインズの敗戦 
第12章 一九三〇年代の「非正統的な」政策――ヴィクセルとその同僚たち 
第13章 終わりなき闘い――その後のケインズ 
エピローグ 再び、経済学者とは何者か?
補章   リフレ戦記--その後の経済学者たちの闘い

【著者紹介】
若田部 昌澄(ワカタベ マサズミ)
早稲田大学政治経済学部教授
1965年生まれ。87年早稲田大学政治経済学部経済学科卒業。早稲田大学大学院経済学研究科、トロント大学経済学大学院博士課程修了。専攻は経済学史。

内容説明

本書初刊からの10年間、日本は経済政策を間違い続けており、その主張はまったく古びていない。誤れる経済政策は政策当事者だけのせいではない。その陰には、経済学者とメディアの敗北がある。アベノミクスは成功するか?書き下ろし「リフレ戦記」43ページを追加。

目次

第1部 経済学者たちの「勝利」と「敗北」(「欲張りなのはよいことだ」―マンデヴィルの世界;バブル崩壊後の経済学―二八〇年前のバブルと二人の銀行家;何のための「セーフガード」か?―ヒュームと既得権益との闘い;誰が改革を担うのか?―スミスと既得権益との闘い ほか)
第2部 二〇世紀最高の経済学者は誰か?(景気が良くなると改革が進まない?―シュンペーターとしごき的構造改革;デフレと金本位制復帰―一九二五年春、ケインズの敗戦;一九三〇年代の「非正統的な」政策―ヴィクセルとその同僚たち;終わりなき闘い―その後のケインズ ほか)

著者等紹介

若田部昌澄[ワカタベマサズミ]
早稲田大学政治経済学術院教授。1965年神奈川県生まれ。早稲田大学政治経済学部経済学科卒業後、早稲田大学大学院経済学研究科、トロント大学経済学大学院博士課程単位取得退学。早稲田大学助手、専任講師、助教授を経て現職。専攻は経済学史。主な著書に『危機の経済政策』(日本評論社、2009年:第31回石橋湛山賞)、共著に『昭和恐慌の研究』(東洋経済新報社、2004年:第47回日経・経済図書文化賞)などがある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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jj

3
2013刊(原著2003)現日銀副総裁。古典的経済学者から現代まで。経済史を知るに丁度良い内容。増補部分:00年のゼロ金利解除。06年の量的緩和解除企画立案に関わっていたのが白川元総裁。物価上昇期待が十分生まれなければ賃金が上がらない。実感なき景気回復は当然の結果となり、後の金融緩和論の大きな障害になったという。リーマンショック後の白川日銀対応遅れとして、金融緩和の出し渋り、超円高放置。そして鉱工業生産指数は金融危機の震源地でない日本の落ち込みが最大etc。日本企業・経済へのダメージは測りしれない。2019/11/30

本命@ふまにたす

2
経済学史を材料にした経済学に関するエッセイ。著者の立場は論争的だが、経済学の意義を強調しているのが印象に残る。2022/01/03

taroyan

1
再読。経済学はほんとに経済政策に役に立つ学問なのか?経済学史を紐解きながら、偉大な経済学者の活躍と実績と現代日本の経済学と経済政策の実情を照らし合わせると見えてくるものを読者自ら理解しないといけないなと思った次第。2017/05/17

taroyan

1
経済学がなすべきこと、そして経済学者やエコノミストが果たすべき役割は、なによりも正しい経済分析を行うこと、すなわち経済学者、エコノミストたることなのであると、エピローグの締めの文章がよかった。日本の現実経済を日本の経済学者やエコノミストは、まともな議論、政策提言ができているのだろうか?経済学の基本理論を理解せぬまま、とんでも経済学をさらけ出してしやいないだろうか?2014/05/03

Mitsuhiro Uji

1
本編よりも増補された「リフレ戦記」が興味深い。ハルマゲドン経済学が跋扈する中、それに対抗する辻説法経済学の存在を知ることができた。やはり経済学は科学というよりも宗教としての側面もある。2013/04/20

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