内容説明
全国に四万店以上あるコンビニを軽く超え、七万五〇〇〇存在するというお寺。本書では、一〇万人以上の僧侶、六〇〇〇万人の信者が存在するというその巨大マーケットを経済学的に鋭く分析します。生まれてから死ぬまで、お寺にまったく関係のない人はめずらしい割に、お寺のことをよく知らない日本人が多いのではないでしょうか。本書を読めば、檀家制度、葬式、戒名、お墓から宗教法人への課税問題まで、お寺の仕組みがよくわかります。葬式仏教と揶揄されるお寺の未来など、現役の僧侶も知っておきたい話題が満載です。
目次
序章 今なぜお寺なのか
第1章 仏教の経済学
第2章 すべては檀家制度からはじまった
第3章 お寺は仏さまのもの
第4章 お坊さんは気楽な稼業か
第5章 今どきのお寺は本末転倒
第6章 お寺はタックス・ヘイブンか
第7章 葬式仏教のカラクリ
第8章 沖縄のお寺に学ぶ
第9章 お寺に未来はあるか
著者等紹介
中島隆信[ナカジマタカノブ]
1960年生まれ。83年慶応義塾大学経済学部卒業。慶応義塾大学商学部教授、商学博士
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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log_ntc
2
経済学を通してみるお寺。なんだけど、一般市民のための「仏教入門書」と言ってもいいと思う。仏教に対する一つの解釈を得た。日本人の多くが「仏教徒」であるにもかかわらず、なぜ人が死んだ時(主に葬式)くらいしか関わりがないのか。手塚治虫の『ブッダ』や南都六宗などの教科書の知識はあっても、日本の一般市民と仏教の関係がどうつくられてきたのか、考えたことない人間の方が多いんじゃないか。仏教伝来からの流れがわかりやすく書かれている良書。宗教の本分とはなんなのか。葬儀や法事、墓を立てることに疑問を持たない諸氏に勧めたい。2023/05/20
daichan
2
だいぶ前に一度読んだことがあったような気がするけど、なぜか文庫でなく新書版が手元にあったので読んでみた。 前著の大相撲同様、面白かった。 「将棋の経済学」もやってくれたら面白いと思うけど、ちょっと規模が小さすぎるか。あるいは囲碁とかゲーム全般に拡張するか。2018/03/11
なお@寺男
2
お金の面からもお寺を捉えたいと思い。法要を『葬儀だけでは生計が成り立たない為に考えられた収入を増やす工夫』と分析、システムとしてのお寺に改めて気づかされます。どの学問も人を幸せにするために存在するならば、仏教と経済学はどこかで繋がっている筈だという考えは柔軟で、素晴らしい。『寺再生には檀家制度の解消による選択の自由を』を提案して終わるのですが、経済学側に寄りすぎていて地域や人々、特に自由に移動の出来ない年配の方には厳しいのでは。寺男としては、現状の檀家さんの不満に敏感に応えていくことが必要と感じました。2014/06/26
OnStack
2
ビジネス★★★★ 全国七万のお寺、三十万の僧侶を抱える巨大市場のお寺について客観的に解説されていて非常に勉強になる。葬儀でしか接点がなくとも、日本人として知っておくべき事が多々あり、檀家、非課税、歴史など知識が広がる。知らないより知っておいたほうがよい。2014/01/25
ophiuchi
2
著者が批判する檀家制度の成り立ちなどが分かり、お寺と付き合っていく参考になる本でした。2010/11/09
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