出版社内容情報
著者の企業や職場の聞きとり調査は定評がある。調査計画、聞きとりのコツ、まとめ、数量分析との比較等を、著者の豊富な経験に基づいて叙述。待望の書。
内容説明
本書では企業での聞きとりの方法を考えている。ここで聞きとりとは、直接企業にでむき事柄をよく知る人の話をじっくり聞くことをいう。数量分析だけで説明できる現象はけっして多くなく、むしろぬけおちてしまう情報が案外に多い。それをどのようにとらえ分析するか、それを語った。
目次
1 調査計画―聞きとりのまえに(制約;仮説の設定;聞きとりの条件 ほか)
2 聞きとり(なかば構造化した聞き方;聞きとりの場で;やや一般的に ほか)
3 聞きとり調査の説明力(アンケート調査や計量分析の悩み;やや哲学的に;異質な方法の併用 ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
greenman
4
著者は労働経済学の学者で、彼が今まで行ってきた企業の聞き取り調査の方法を、例を出しつつ話していく。企業調査とはまったく関係がない人にも、著者の聞き取りの姿勢(eg. 相手の時間に気をつけて話す、事前に何を聞くかをだいたい決めておく、事前の下調べの大切さ、仮説をもつ)は参考になるだろう。しかしやはり内容は企業や労働形態を分析することに特化しているので、経済調査を行う方でないと、この本の活用は難しいようにおもう。2010/01/23
Sanchai
2
以前から読みたいと思っていた本をようやく入手して読んでみたわけだが、なんだか大学の講義で体系だってない体験談を延々と聞かされているような感じ。中だるみ感がけっこうあって、集中して読み進めることが難しかった。僕の指導教官も営利企業に聞き取り調査をする時はかなり気を遣っていたという印象があったが、その理由が今になってわかったような気がする。ただ、聞き取りに応対する機会費用の大きさといったら別に営利企業だけの話でもないようにも思うが。2014/10/15