出版社内容情報
ダイバーシティ(多様性)の尊重が、社会にとっていかに価値あるものかを、二つの寓話を通して描く。人がよりよい社会をつくり、よりよく生きるためのヒントにあふれたユニークな1冊。〔森妙子 挿絵〕
岩井克人氏・勝間和代氏推薦。
【目次】
1 六つボタンのミナとカズの魔法使い―─社会科学的ファンタジー
2 ライオンと鼠─―教育劇・日米規範文化比較論
目次
六つボタンのミナとカズの魔法使い―社会科学的ファンタジー
ライオンと鼠―教育劇・日米規範文化比較論
著者等紹介
山口一男[ヤマグチカズオ]
シカゴ大学ハンナ・ホルボーン・グレイ記念特別社会学教授。経済産業研究所(RIETI)客員研究員。東京大学理学部数学科卒業。1981年にシカゴ大学にて社会学のPh.D.を取得。コロンビア大学助教授、UCLA准教授を経て1991年より現職。1992年より米国社会学リサーチ・アソシエーション(米国社会学会の名誉ソサイエティー)会員。2001年にグッゲンハイム・フェロー、2003年には米国科学情報研究所(ISI)より、社会科学一般の部で1981~99年に最も学術論文が引用された250人の学者の1人に認定される。2008年秋学期よりシカゴ大学社会学科長に就任。約25名の教授陣を擁する社会学の「シカゴ学派」を率いる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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jjm
8
『働き方の男女不平等』の著者によるダイバーシティを考えさせる本。「(日本)子供たちの肯定的アイデンティティを育む社会環境を作ることが急務」⇒肯定的な思いは実現しやすい。「アメリカ人は一貫性がある、合理的⇔日本人は一貫性がない(よって信頼されない)、空気を読む」空気を読むという一貫性があるのではないかと一瞬思ったが理解されないか。個人的には日本人は理想的な姿に対する相対評価で自らを評し(+謙遜の文化)、アメリカ人は絶対評価で自己を判断しているような気がする。どちらが正しいということではないと思う、たぶん2023/04/29
こばまゆ
4
とても読みやすい。色んな考え方がちりばめられている。多様性の良さを発揮するには、ひとりひとりの才能が十分開花し発揮されること。とある。 自分とは違う価値観に出会ったり、視点に出会ったりすることで、同じような価値観の人達ばかりが集まる中で出される結果より、より深く広い視点を持った結果が出せるのかもしれない。授業の様子を物語にしているが、こんな面白い授業なら出たいな~と思った**2015/10/28
こうじ
2
これは良書。高校生くらいでも読める、というか読んでほしい内容。「ダイバーシティ」という書名だけど、組織や社会におけるダイバーシティにフォーカスした内容ではない。著名な社会学者が書いた本で、社会学的(囚人のジレンマとかね)な考え方や論理的な考え方、日本文化論やアメリカの学校で見られるようなディスカッションを通じた知的生産のあり方、そのような内容を寓話などを通じて伝えている、多岐にわたって気づきを与えてくれる良い本です。おすすめ。2016/10/10
鵞鳥
2
日本人の価値観って定まらないのかな・・・2013/08/11
ポコ
2
第1部、キュンキュンしながら読んだ。この物語を書いている人は、なんてかっこいい人なんだろう。魔法使いのカズとは、作者自身なのだろうか、早くカズに会いたい・・とミナと一緒にドキドキしながら、旅をした。そして、第2部。大学の講義を原稿に起こしたみたいなお話。実話かと思えば、創作らしい。メモを取りながら憶えるくらい何度も読みたい。2012/12/15