クライシス・キャラバン―紛争地における人道援助の真実

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  • サイズ B6判/ページ数 318p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784492212035
  • NDC分類 369.37
  • Cコード C3036

内容説明

想像してみてほしい。あなたが援助活動家なら、どうするだろうか。人々を助けようと持ちこんだ援助物資によって、殺人者たちがより力を増しているとしたら…?苦しんでいる人々に少しでも早く水や食料を届けるために、ジェノサイド実行犯グループと手を結ばなければならないとしたら…?あきらめて立ち去るのか?あるいはどんな犠牲を払ってでも援助を与え続けるのか。

目次

第1章 ゴマ―完全なる倫理的災害
第2章 契約フィーバー
第3章 モンゴ(MONGOs)
第4章 ドナーのお気に入り
第5章 戦争の武器としての援助
第6章 難民戦士たち
第7章 兵糧攻め
第8章 被援助側が支配するとき
第9章 アフガン詐欺
第10章 人道主義時代の論理

著者等紹介

ポルマン,リンダ[ポルマン,リンダ][Polman,Linda]
フリーランスのオランダ人ジャーナリスト

大平剛[オオヒラツヨシ]
1965年大阪府生まれ。名古屋大学大学院国際開発研究科博士後期課程満期退学。博士(学術)。現在、北九州市立大学外国語学部国際関係学科教授。専門は国際政治学、国際協力論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ののまる

13
いまは巨大ビジネスとなった「道徳経済」ー援助によって兵士が難民キャンプで温存され、自立意識はなくなり、紛争が続く。悲惨な現状があった方が高額な援助が続くから当事者(政府や組織)は虐殺行為や演技をしつづけ、また支援組織側も高額な寄付金を得るためにそれをことさらに報道する。かといって、私ができることは自分が信頼する国際NGO組織(遅々たる活動でも地域全体の自立に目標を置いて、いずれは自分たちがいなくなることを目指している)に微々たる寄付をすることなのだけど、当然こういうこともあるだろうな、と思ってもいます。2016/05/03

yendows

7
アフリカ事情(と問題)に疎いので、大きな紛争に関して一覧できてよかった。で、人道援助に関してはどれも酷い話で。「ツチ族とフツ族」「シエラレオネ」「ビアフラ」「エチオピア」。ドナーは金を出せればいいし。NPOは善意の行動ができればいいし。支援を受ける側はもっと酷い惨状を作ってお金を多く欲しい。それは、上手くいかないよな。。。2014/02/08

ICH

4
支援をする側、される側の双方に詐欺師が大量にいることを説明してくれる、一冊です。 詐欺師達が、支援を継続させるためにわざと見逃した分を届けるために、詐欺を承知で行う支援が、「善」なのか怪しくなってきます。 詐欺師の懐を膨らませるだけならまだしも、支援が戦争継続の補給になっているのでは、支援が届いた瞬間以外は、「偽善」にもなっていないのでは。 メディアや街頭で、悲惨な映像を片手に支援の原資を求める人たちが、さらに胡散臭く見えてきてしまいます。 2020/12/10

etoman

4
人道援助のお金の全てが正しいことに使われいないことを知っていたしある程度は仕方無いと思っていたが、現実はそんな生易しい状態ではなかった。難民キャンプには反政府軍の兵士が混じり援助物資で栄養を取って戦争にいく。難民キャンプでは政府か反政府かいずれかが税金を課してそれを軍事費に使ったしている。資源の無い国は反政府軍が国民の四肢を切断して人道援助を集めて軍事費にしたり私服を肥やしている。しかし、そこには困っている一般市民は間違い無く存在するのだ。何が正しいのか考えつかないが、考えなきゃ駄目だ。是非御一読を。2014/02/27

Uzundk

3
クライシスキャラバン(危機の旅団)の話。彼らが人道支援の名の下に危機の現場に行ってなす行為は危機から人を救う行為か、悲劇という名の見世物か。悲劇の絵を録り、そこに対して支援者から一方的な善意が落ちる。その善意(資本)を狙って、多くの援助機関の関係者が悲劇を探す。真に生活の再建をはたそうという試みが"人道支援"によって阻まれている。 著者に語られた一言が印象的だった。 「白人の女よ。Warとは何か知っているか——Waste All Resourcesだ。全てを壊せば、またお前達が作りに来る。」2014/10/02

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