解体―国際協力銀行の政治学

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  • サイズ B6判/ページ数 278p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784492211656
  • NDC分類 338.9
  • Cコード C3031

出版社内容情報

国際協力銀行の解体をめぐる政府・与党・官僚・財界・メディアのパワーゲームを詳細に描くことにより、小泉政権の政策決定過程を赤裸々に描き出す。

内容説明

本書は、八つの政府系金融機関の一つ、国際協力銀行問題に焦点を当てた事例研究である。海外経済協力部門(円借款部門)と国際金融部門からなり一九九九年一〇月に発足した国際協力銀行を小泉内閣は分離・解体し、前者を独立行政法人・国際協力機構に、撤退する部門以外の後者の機能を新政策金融機関に組み入れることにした。この決定はどのようなパワーゲームの結果決まったものか、なぜ、こうした結論に至ったかを、政策過程を再現することによって描いている。

目次

序章 複雑なドラマ
第1章 融資と援助―日本輸出入銀行と海外経済協力基金
第2章 国際協力銀行の誕生―水と油はなぜ一つになったか
第3章 既得権益の維持・拡大
第4章 小泉内閣と政府系金融機関改革
第5章 政府系金融機関論議の本格化
第6章 最後の山場
終章 政策過程を振り返って
資料

著者等紹介

草野厚[クサノアツシ]
慶應義塾大学総合政策学部教授。1947年、東京生まれ。1971年、慶應義塾大学法学部卒業。1978年、上智大学大学院外国語学研究科修士課程、1982年、東京大学大学院社会学研究科博士課程修了。プリンストン大学国際問題研究所客員研究員、東京工業大学助教授などを経て1991年から現職に就く。2000年にはテレビのドキュメンタリー番組の格付けを行うNPOメディア検証機構を設立し、理事長となる。著書として『政策過程分析入門』、『ODAの正しい見方』、『連立政権日本の政治1993~』、『癒しの楽器パイプオルガンと政治』、『歴代首相の経済政策全データ』、『テレビは政治を動かすか』など多数。専門は政治学、日本外交論、政策過程論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

とある本棚

5
ニッチな内容で、援助関係者でも手に取る人は少ないのではないだろうか。2008年に実施されたJICAとJBICの統合の内幕を政治学者が描いた本。ただし、客観的な政策過程分析というよりは、著者自身もこの統合の駆け引きに参加した当事者であり、その点は考慮して読み進める必要がある。財務官僚は円借款の監督権の保持を目指し、あらゆるリソースを投入してJBICの維持を図るが、最後には改革派政治家とメディア、そしてJICAの政治力により解体となる。統合の評価は様々あり得るが、個人的には現時点では政策上正しかったと思う。2022/05/29

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