村上春樹と私―日本の文学と文化に心を奪われた理由

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村上春樹と私―日本の文学と文化に心を奪われた理由

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  • サイズ B6判/ページ数 228p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784492062029
  • NDC分類 910.268
  • Cコード C0095

出版社内容情報

村上春樹作品の翻訳家として世界的に知られるジェイ・ルービン氏が、村上氏との交流や作品の翻訳で得たこと、感じたことを綴る。「私は完全に村上作品に魅了されたのだ。専門的な学者としてよりも一個人として、ただのファンとして、村上作品に夢中になった」――日本の近代文学の研究者であり、ハーバード大学教授であったジェイ・ルービン氏。ひょんなことから、当時話題になっていた村上春樹作品『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』を読んで、度肝を抜かれたという。それ以来、村上作品のファンとなり、村上作品を世界に紹介する翻訳者となっていく。
本書は、『1Q84』『ねじまき鳥クロニクル』をはじめとする村上春樹作品、夏目漱石『三四郎』、芥川龍之介『羅生門』など数多くの日本文学を翻訳し、その魅力を世界に紹介したジェイ・ルービン氏が、村上春樹さんとの出会いと交流、日本文学の翻訳の難しさ、そして愛する日本のことを綴る好著である。

第1部 ハルキと私と作品と

村上春樹さんからの電話が私の人生を変えた
村上さんを撮らず、自分の脚を撮ってしまった 
世界が愛する村上春樹?国境や宗教を超えて  
日本文学を世界に紹介する村上春樹 
村上さんと死ななかった日
目を瞑っては翻訳はやりにくい
無意識と偶然に造られた象の長旅
『日々の光』における村上さんの影響
生きた作家と死んだ作家と翻訳をチェックする?村上と漱石の場合
世界の作家となる村上春樹
ファンが溢れる春樹講演会 
ケチャップも大事だ 
世阿弥の井戸の中 
オコナー賞授賞式に出席して 

第2部 日本と私と翻訳と

後期高齢者なのか
三島由紀夫の首と息子の音楽
芥川龍之介と世界文学 
能とオペラの珍しい組み合わせ 
誤訳から生まれた『風俗壊乱』 
日文研と娘と息子と 
日文研と偶然の賜物と 
平成のヒット作『三四郎』
おにぎりと月日の流れ 
戦前戦後両検閲下における文芸 
虫眼鏡で翻訳を 
英語圏における日本文学の将来

あとがき

ジェイ・ルービン[ジェイ ルービン]
ジェイ・ルービン
翻訳家、日本文学研究家、ハーバード大学名誉教授
1941年ワシントンD.C.生まれ。ハーバード大学名誉教授、翻訳家。芥川龍之介、夏目漱石などの日本を代表する作品の翻訳多数。特に『1Q84』『ノルウェイの森』『ねじまき鳥クロニクル』をはじめとする村上春樹作品の翻訳家として世界的に知られる。
著書に日米同時出版となった長編小説『日々の光』(柴田元幸、平塚隼介訳)や『ハルキ・ムラカミと言葉の音楽』(畔柳和代訳)など多数がある。
ジェイ&ゲン・ルービンHP(日本語):http://www.rubinclan.com

内容説明

『1Q84』『ノルウェイの森』をはじめ、夏目漱石『三四郎』や芥川龍之介『羅生門』など数多くの日本文学を翻訳し、その魅力を紹介した世界的翻訳家が綴る、春樹さんのこと、愛する日本のこと。

目次

第1部 ハルキと私と作品と(村上春樹さんからの電話が私の人生を変えた;村上さんを撮らず、自分の脚を撮ってしまった;世界が愛する村上春樹―国境や宗教を超えて;日本文学を世界に紹介する村上春樹;村上さんと死ななかった日 ほか)
第2部 日本と私と翻訳と(後期高齢者なのか;三島由紀夫の首と息子の音楽;芥川龍之介と世界文学;能とオペラの珍しい組み合わせ;誤訳から生まれた『風俗壊乱』 ほか)

著者等紹介

ルービン,ジェイ[ルービン,ジェイ] [Rubin,Jay]
1941年ワシントンD.C.生まれ。ハーバード大学名誉教授、翻訳家。芥川龍之介、夏目漱石などの日本を代表する作品の翻訳多数。特に『1Q84』『ノルウェイの森』『ねじまき鳥クロニクル』をはじめとする村上春樹作品の翻訳家として世界的に知られる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

アキ

92
村上春樹の翻訳で知られるハーバード大学名誉教授ジェイ・ルービンのエッセイ集。第1部ハルキと私と作品で、翻訳者でもある村上春樹のルービンへの質問の答え「どうせ小説というのはいい加減なものだ」が興味深かった。プリンストン大学の頃の1991年ボストンマラソンで初めて会う。第2部日本と私と翻訳と、で芥川龍之介・夏目漱石・現代作家の翻訳だけでなく、小説「日々の光」の発表まで。柴田元幸氏との交流も現代日本作家にはとても有益なこと。村上春樹が一番好きだと言い、海辺のカフカにも載る、夏目漱石「坑夫」を次に読もうと思った。2021/03/07

chantal(シャンタール)

82
村上作品の英訳者として、村上さんのエッセイにも時々登場するルービン氏。元々は漱石を中心とした近代日本文学の研究者で、村上作品を翻訳するようになった経緯や、村上さんとの交流などがユーモアを交えて語られる。こうした日本文学の研究をしてくれる人がいるのは嬉しいよね。やはり、国内にこもるのではなく、色々な意味で世界へ目を向ける事は大事なのではないかと思う。村上さんの言葉「気に入った本について、思いを同じくする誰かと心ゆくまで語り合えることは、人生のもっとも大きな喜びのひとつである」本当にその通り!2021/07/18

キク

59
春樹さんへの評論本はあまり読まない。原典を超える批評って、小林秀雄くらいでないと出来ない気がするし「他人のフンドシで相撲をとるって、衛生的によくないよなぁ」とか思ってしまう。ただ、著者が「1Q84」「ねじまき鳥クロニクル」等の英訳を行ったハーバード大教授だったので、手に取った。ハーバードの日本文学科で「なぜ専攻したのか?」と聞くと、95%の学生が「ムラカミを原書で読みたいから」と答えるそうだ。村上作品を同時代に原書で読めて幸運だった。あの文章が母国語でなかったら、僕の能力じゃ原書は無理だった自信があります2021/09/25

nobi

53
気のいい叔父さんの思い出話のような話多くて楽しい。翻訳以外にも「日々の光」「風俗壊乱」で日系人強制収容所、戦前の検閲など重いテーマを扱った著者とは思えないほど。村上春樹に「塀」はwallかfenceか等30頁もの質問を差し向かいで深夜までぶつけ、ボストンマラソンでは彼を応援する。能『井筒』と「ねじまき鳥」の井戸の共通性を見る意外な視点、漱石芥川作品への鮮やかな評なども。彼の周りには能役者の河村晴久さんとか色んな人が集まってくる。誤訳研究の前田氏はアメリカの翻訳者に手紙送って返事もらったのはあなただけ、と。2025/01/03

アキ・ラメーテ@家捨亭半為飯

53
日本文学の翻訳者であるジェイ・ルービン氏の村上春樹との交流や村上文学について、芥川や漱石の翻訳について、著者自身の作品について、明治時代の政府からの検閲、戦後のGHQの検閲、第二次世界大戦中の日系人収容所の等。言葉をおろそかに扱わない真摯な人柄が伝わってくる。2017/01/31

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