内容説明
巨大地震・津波・噴火などが、どのように歴史を動かしてきたのか。また、先人達はいかにして復興を成し遂げたのか。新視点から日本史を捉え直した意欲作。
目次
天災の古代史―災害を天の警鐘とみなした古代王朝
1293年 永仁鎌倉地震―復興された武士の都
1585年 天正地震―天下人秀吉の恐怖体験
1596年慶長伏見地震―創出された災害復興への王道
1665年 寛文高田地震―天災が生んだ名宰相
1707年 宝永富士山大噴火―欺瞞に満ちた復興策
1783年 天明浅間山大噴火―田沼政権を崩壊へと導いた天災
1792年 島原大変―格差社会を拡大させた大津波
1847年 善光寺地震―二次被害を防いだ真田の智謀
1855年 安政江戸地震―幕末動乱を加速させた直下型地震
1888年 磐梯山噴火―日本初の義援金と災害報道
1891年 濃尾地震―地震学を発展へと導いた都市災害
1896年 明治三陸大津波―生かされなかった過去の教訓
1923年 関東大震災―幻の東京再生計画
著者等紹介
外川淳[トガワジュン]
1963年神奈川県生まれ。早稲田大学第一文学部日本史学専修卒。新人物往来社『歴史読本』編集部を経て歴史アナリストとして独立。日本史の実像に迫る新視点からの分析には定評がある。歴史ファンとともに古城や古戦場を巡る「歴史探偵倶楽部」を主催(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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あや
2
歴史に残る地震・噴火とその復興政策。戦国、江戸、明治の施作や復興資金はそれぞれ当時の日本の国体を反映していて興味深かった。三陸の津波は100年単位で起きており、長い歴史の中では関西の地震も珍しいとはいえない。過去の教訓から少しでも被害が抑えられることを祈る2023/09/08
日和見菌
1
過去の日本で起きた主な天災(地震、津波、噴火)を紹介している本。ちょいちょい東日本大震災と比較してる。天災が起きたときの時代背景についても書かれているので、すごいわかりやすかったです。世の権力者ってかなり天災に左右されてるんですね。豊臣の朝鮮出兵と地震の関係は興味深かった。歴史から学ぶために、民間主導の災害記念館をつくろうというのが筆者の主張かな?2011/12/08
茶田
0
読みながらどんどんと気が滅入っていった。鎌倉の大仏が津波で流されたとはしらなかった。他にも知らなかった天災とその対応がたくさん。江戸の藩政のシビアさにも驚いた。2016/10/28