内容説明
破天荒のジャーナリストが書き残した膨大な資料を読み解き、日本外交の原点に迫る!知られざる革命の実相と諸列強の暗闘を描いた労作。
目次
第1章 日露戦争後の世界
第2章 鉄道問題
第3章 辛亥革命の勃発
第4章 袁世凱とモリソン
第5章 モリソンの個人外交
第6章 モリソン活動の成果
第7章 辛亥革命後の中国
第8章 第一次世界大戦をめぐって
著者等紹介
ウッドハウス瑛子[ウッドハウスエイコ]
早稲田大学在学中にオーストラリア・カンタス航空のスチュワーデスになり、その後、在シドニー日本国総領事館の総領事秘書および翻訳担当、フリーランスの国際会議同時通訳などに携わる。この間、パリのアリアンス・フランセーズ、ミュンヘンのゲーテ・インスティテュートに学ぶ。シドニーのマッコーリー大学仏文科卒。シドニー大学東洋学部で日本語を教えるかたわら、1983年修士論文“G.E.Morrison and Japan,1897‐1905”を完成(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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BLACK無糖好き
4
ロンドン・タイムズ特派員のG.E.モリソンと袁世凱を中心に、辛亥革命勃発前後の清国内における列強各国の思惑や駆け引きが書かれています。日本は共和制国家の出現を恐れ清朝保護の態度を示しながらも動乱に乗じて利権獲得・増大を目論み清朝と革命軍の両方に武器を供給する。一方モリソンと英国は袁世凱を支援し、共和制国家の樹立を実現させる。本書を通して、この時代の日本の外交の未熟さがどうしても目立ってしまいます。2015/06/30
ななっち
1
親日派から反日派へ転向したタイムズの記者のお話。オーストラリアの権益というのは日本に相対峙するものがあるというのも興味深いものです。2014/04/01
鈴木誠二
0
日露戦争後~第一次大戦終了まで、モリソンの日記や書簡で垣間見る。イギリス、中国、日本の近代史。本書の最後に、徐々に孤立化を深めるワシントン体制下の日本の描写が、現代の日本のイメージにダブってくるのは杞憂であろうか……2014/02/11