内容説明
第1回ノーベル賞を受賞するはずだった男の怒涛の人生。日本が生んだ世界的な医学者の生きざまを描く初の長編小説。破傷風、コレラ、ペストなど、未知の病に北里が戦いを挑む。
著者等紹介
山崎光夫[ヤマザキミツオ]
昭和22年福井市生まれ。早稲田大学卒業。放送作家、雑誌記者を経て、小説家となる。昭和60年『安楽処方箋』で小説現代新人賞を受賞。特に医学・薬学関係分野に造詣が深く、この領域をテーマに作品を発表している。平成10年『薮の中の家―芥川自死の謎を解く』で第17回新田次郎文学賞を受賞
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感想・レビュー
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もえたく
6
雷おやじ(ドイツ語でドンネル)と呼ばれ、第1回ノーベル賞を受賞予定だった北里柴三郎の伝記。後藤新平や森鷗外、コナンドイルまでが、医者としてドイツ留学中の北里に会っていたのに驚く。永井荷風の父とのエピソードなども、もう少しドラマチックに描かれても良いのではと思いましたが、下巻に期待。斎藤孝「文系のための理系読書術」からの一冊。2014/11/05
Ted
4
'03年11月刊。○ドイツ留学から帰国するまでを描く評伝風小説の前編。留学中、鴎外との交流もあったが、後年脚気論争で対立する。細菌学が専門の北里が細菌説を否定し、細菌学が学びたかったのにできなかった鴎外が細菌説を主張したのは面白い。何やらルサンチマンや海軍の高木兼寛とのライバル意識が混じりあっている感じがする。また、コッホに師事したとはいえ、専攻の違いもあろうが、鴎外の場合北里と違ってコッホとは相性があまりよくなかったようだ。下積みが長かった苦労人だけに、鴎外のエリート臭が気に入らなかったのかもしれない。2016/10/16
Ken
2
感想は下巻を読了時に。2014/12/25
Yoshiharu Yamada
1
北里柴三郎のエネルギーを感じながら読破。 下巻も楽しみ。 2019/01/02
uttt
1
興味深く上下巻を一気に読みました。明治の風景を想像しながら、細菌だけでなく派閥との戦いを繰り広げる北里柴三郎の生き様を興味深く読みました。良かったです。2015/11/08