出版社内容情報
本書の概要
「よい授業」とは何か。その問いに対して、本書は「理科という教科の特質に即した〈授業の見方〉」を提示します。授業中の子どもの姿、教師の働きかけ、教材・教科内容の扱い方──それらをどう見取り、どう意味付けるのか。
理科教育の実践と研究を積み重ねてきた著者が、授業を成り立たせる「普遍的な核」に光を当て、授業の本質を読み取るための視点と具体的なポイントを43項目で丁寧に解説します。授業改善や授業研究の確かな拠り所となる一冊です。
本書からわかること
理科授業を成り立たせる「普遍的な核」
本書は、教材や単元、指導法が変わっても揺らがない、理科授業を成り立たせる「普遍的な核」を明らかにします。自然の事物・現象から問題を見いだし、予想や仮説をもとに観察、実験を行い、結果を整理し、考察を経て結論を導きだすといった理科固有の学びの構造に着目し、学習活動の表面ではなく、その背後で何が起きているのかを丁寧に読み解きます。授業の成否を雰囲気や結果だけで判断するのではなく、「教科としての理科の学びが成立しているか」という視点をもつことで、授業を見る目そのものが鍛えられます。
参観者としての心構えと、授業を見る視点の広げ方
学びの物語の主人公は子どもである一方、教師にも物語があります。それぞれの物語に着目しながら、「授業者の意図をくみ取ろうとすること」「子どもを理解しようとすること」を、授業を見るときの心構えとします。
また、授業参観で見るべきものは、授業中の45分間だけではありません。本書は、学習指導案や学習環境といった周辺情報にも、授業づくりに生かせる重要な手がかりがあることを示します。
参観者としての立場から授業を見る際の視点と姿勢が整理され、より実りある授業参観や授業研究につながるでしょう。
授業中の「子ども・教師・教材」の見取り方
理科の授業では、自然の事物・現象に親しむ場面、観察や実験などに取り組む場面、結果をもとに話し合う場面など、それぞれの過程に学びがあります。本書では、子どもがどのように自然の事物・現象と向き合い、教師の発問や板書がどのように思考を支えているのかを具体的に示します。
子ども・教師・教材(教科内容)を切り離して見るのではなく、それぞれの関係性の中で授業をとらえることで、表面的な評価にとどまらない、理科授業の本質的な理解が可能になるでしょう。
【目次】
はじめに
第1章 授業を見る目をもつ
1 授業を見る目的と意義
2 授業のどこを見るか
3 授業を通して相手を理解する
4 授業の核を見極める
5 学習指導案を見る
6 教材を見る
7 学習環境を見る
8 授業記録を取る
9 授業の「事実」を「解釈」する
10 校内研究で授業を見る
11 公開授業研究会で授業を見る
12 録画した映像で授業を見る
COLUMN1 体験がもつ意味とは
第2章 教師を見る
1 導入を見る
2 問題の設定を見る
3 発問を見る
4 授業展開を見る
5 板書を見る
6 説明・指示を見る
7 子どもとのやりとりを見る
8 立ち位置や動作、目線を見る
9 ICT機器の使い方を見る
10 学習の終末を見る
COLUMN2 知識を得ると、授業の見方も変わる
第3章 子どもを見る
1 学級全体の反応を見る
2 抽出児を通して見る
3 対象との関わり方を見る
4 子ども同士の関わりを見る
5 素朴概念やつまずきを見る
6 発言や発表を見る
7 表情の変化を見る
8 ノートやICT端末を見る
9 中学年の子どもを見る
10 高学年の子どもを見る
COLUMN3 心が動く瞬間こそ、学びが深まる
第4章 教材・教科内容を見る
1 理科の問題解決が向かう先を見る
2 単元展開を見る
3 「理科の見方・考え方」を見る
4 観察や実験を見る
5 子どもの考えと教師の準備物とのズレを見る
6 縦の視点で内容の関連を見る
7 横の視点で内容の関連を見る
8 「A物質・エネルギー」の授業を見る
9 「B生命・地球」の授業を見る
10 自然災害との関連を見る
11 理科を学んで得られる幸福感を見る
COLUMN4 未知の世界に思いを馳せる
第5章 授業を見る目を磨く
1 「電流のはたらき」の授業を見る
本時の概要/実際の授業/授業記録メモ
2 「てこの規則性」の授業を見る
本時の概要/実際の授業/授業記録メモ
おわりに



