出版社内容情報
教育の危機と現代の日本~人間教育からの改革~
〈本書の概要〉
いま、日本の教育は危機的状況にあるといわなければなりません。国の基盤となる教育が疎かになれば、国全体が衰退していくことになります。では、どこに根本的な問題があるのか。本書は、とくに①教育の歴史的問題、②教育思想の問題、とりわけ人間観(子ども観)、教育観の問題、③教職・教員養成の問題、④教育連携体制構築の問題、⑤生涯学習の問題の5点を取り上げ、人間教育の視点から論じたものです。
〈本書からわかること〉
本書では、現在の日本における教育の意識改革及びシステム改革を行なっていく前提となる根本的な問題点がどこにあるのかが理解され、また今後の改善策を探る手立てが得られます。
(以下、はじめにより抜粋)--------------------------------
はじめに
教育は、どの時代においても、本来学びたいという人間がいて、それをよくしたいと思い働きかける人間の関係性を基本としています。また、そうした人々がダイナミックに活動する主な場として家庭、学校、社会があります。さらに、その場において人々は、知識や技術や振る舞い方を互いに学び合い、その連続的活動の中で文化の伝達や価値の創造が行われていきます。つまり、私たち人類は、太古の昔からこうした営みを通して、発展してきたと考えられます。
今こそ、本気で教育からの社会変革を行っていかなければ、わが国はほかの国々から一層引き離されるどころか、国自体が弱体化し続けていくのではないかと懸念します。以上のような考えから、今回あえてこの書を出版し、読者の方々と問題を共有し解決策を探っていきたいと切に願っています。
二〇二五年一月一日 作新学院大学 学長 渡邊 弘
目次
第1章 日本における教育の歴史的問題~歴史から何を学んできたのか~
第2章 人間観・教育観の問題
第3章 これからの人間観・教育観を考える
第4章 思想家たちの警鐘
第5章 教職に関する問題
第6章 教育における連携体制の問題