出版社内容情報
2年生になっても学級が崩れない子どもたちを育てるポイントは、学期ごとに明確な意図をもって子どものもてる力を引き出し、伸ばす指導を徹底することです。そのうえで、他者意識の薄い1年生の子どもたちが、安心感をもってクラスメイトに対して関心をもち、かかわり合うことのおもしろさ、たのしさを感じられるようにすることです。本書はその考え方と方法を1冊にまとめています。
〈本書からわかること〉
1.1学期にしておくべきこと、そのために必要な指導方法がわかる
1学期に行うこと
●規律を重視して安全・安心な教室をつくる。
●スタートカリキュラムで幼児期からなめらかに接続する。
●SST(ソーシャルスキル・トレーニング)を軸に、集団の一員として過ごすスキルを身につけられるようにする。
1学期の指導で心がけるポイント〉
●新しい学校生活をたのしめるようにする。
●ほめながら、望ましい行動を習慣化する。
●大切なことは何度も繰り返して、子どもたちに意識づける。
●教師との一対一のかかわりに執着することから脱却させる。
2.2学期にしておくべきこと、そのために必要な指導方法がわかる
2学期に行うこと
●学校生活リズムを取り戻すための助走期間を設ける。
●夢中で学べる学習集団をつくる。
●一方的に教師の都合を押しつけない。
●「あいづち力」をはぐくむ。
●「担任の先生がいなくて大丈夫な学級」にする。
●「まじめにがんばることが評価される学級」にする。
●失敗がこわくなくなる環境をつくる。
●偏った見方から不適切な発言をしてしまう子どもに対応する。
●「自分の仕事」や「行事」に対して前向きに、たのしく取り組めるようにする。
2学期の指導で心がけるポイント
●学級内での序列化(スクールカースト化)を防ぐ。
●子どもが自分の困り感や不満を解決できるようにする。
●「人は人、自分は自分ということ」「注意すべきこととそうでないこと」を区別できるようにする。
3.3学期にしておくべきこと、そのために必要な指導方法がわかる
3学期に行うこと
●自分で判断する力をつけられるようにする。
●自分の学びをたのしめるようにする。
●「やってみたい」を実現できる学級にする。
●学級をつくるのは自分たちだと自覚できるようにする。
●子ども同士のかかわりをより豊かにする。
●自分のたのしみを自分で見つけて熱中できる子にする。
3学期の指導で心がけるポイント
●教師は自分の存在感をさらに薄くし、子どもの思いや願いの実現をサポートする。
●よい行動や経験の価値に気づかせるしかけをつくる。
●進級とクラス替えに際しての心構えを伝える。
内容説明
入学式・学級開き 小学校生活にわくわく感がもてる―1年生を受けもつ先生方との和気藹々としたチームワーク。1学期 脱・小1プロブレム―どの子も安心して学校に通えるスタートカリキュラム。2学期 挑戦し、成長を実感できるようにする―パペットと学ぶSST(ソーシャルスキルトレーニング)。3学期 自分軸をもたせる―2年生になるのがたのしみになる教師の働きかけ。
目次
第1章 入学式前の準備で環境を整える(1年生のときに学んだことが、その後の学校生活の土台になる;スタートカリキュラムについて知っておく ほか)
第2章 脱・小1プロブレムの1学期(安心、安全な教室づくりは規律からはじめる;学級目標を決めるときに大切なこと ほか)
第3章 挑戦し、成長を実感できるようにする2学期(学校生活のリズムを取り戻すための助走期間を設ける;夢中で学べる学習集団をつくる ほか)
第4章 自分軸をもたせる3学期(自分で判断する力をつけられるようにする;自分の学びをたのしめるようにする ほか)
終章 道徳科授業を通じて子どもたちに育みたいこと(1年生の難敵・道徳科授業づくり;子どもたちに、どのようにして道徳科の学びをもたらすか ほか)
著者等紹介
元山瑤子[モトヤマヨウコ]
相模原市立新磯小学校教諭。日本大学法学部卒。日本道徳教育学会神奈川支部役員、日本道徳科教育学研究学会役員、道徳教育推進教師、支援コーディネーター、幼保小連携、スタートカリキュラム、ソーシャルスキルトレーニング、MIMなどを担当し、特に道徳や低学年児童の効果的な学びに興味をもち、研究中(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。