出版社内容情報
国語教育界のレジェンドがおくる総括的1冊
本書の概要
どうすれば言葉や国語の学習が楽しく実りあるものになるか。その理論と実際がまとまった1冊。学習する本人である子どもに寄り添い、子どもの学ぶ力を信頼して最大限に引き出す方法を探究してきた著者の理論とその具体的方法がわかりやすく書かれています。
本書からわかること
内容
■同時異学習のすすめ
教室での学習は、子どもたち全員が同一内容・同一方法で進むしかないのだろうか? 子どもたち一人一人の興味・関心から始まり、主体的に学んでいける学習方法はあるのだろうか? その問いに応えるのが「同時異学習」です。学習の内容・方法・素材などを子ども自身で選ぶ自由があり、学習のレベル・分量・進度は子どもによって異なってもよい。その多様な学びを実現する方法として、プロジェクト単元や翻作法の具体的なアイデアをふんだんに紹介しています。
■プロジェクト単元で言葉が育つ
子どもにとって本気で目指す目的があり、その目的達成のために、自らを省みながら本気で活動をするとき、充実した学習が実現し、責任をもって自律的に行動する人格が育ちます。その具体的な活動として、言葉が育つプロジェクト単元の6分類―①作る、②演じる、③解明する、④遊ぶ、⑤向上を目指す、⑥味わい楽しむ―について詳しく解説します。また、100例以上の具体案を紹介しているので、実際にプロジェクト単元を行う際の発想のヒントとして参照できます。
■翻作のすすめ
「翻作」とは、何らかの原作をもとにした表現のことで、翻作を通して学ぶ方法が「翻作法」です。原作をもとにして表現するためには、原作をより丁寧に読むことが必要になり、その結果として、読む力と表現する力が同時に高まっていきます。「かえる翻作」と「なぞる翻作」の具体的な活動を、具体的な作品もあげながら丁寧に紹介しているので、幼・小・中・高校におよぶ全段階の学習支援に役立つ手引きになります。
■幼児期の発達支援
子どもは言葉を学ぶ潜在能力をもって生まれ、通じ合う喜びを実感しながら言葉の力を高めていきます。本書では、幼児期の言葉と文字の発達の実相を明らかにしたうえで、その育ちを助ける環境と遊びについて、具体例をあげてわかりやすく述べています。
こんな人におすすめ
幼・小・中・高のすべての学齢における学習支援に関わるすべての人に役立ちます。言葉の学習は、国語科だけではなくあらゆる教科で行われます。言葉と世界の学びを助けたいと考える教師、保護者など、楽しくて充実した言葉の学びを実現したいと考えているすべての方におススメです。
目次
第1章 人間尊重の学習支援
第2章 学習と評価
第3章 言葉が育つプロジェクト単元
第4章 翻作のすすめ
第5章 国語学習の総合性―「二重カリキュラム」という見方
第6章 幼児期の言葉と文字
著者等紹介
首藤久義[シュトウヒサヨシ]
1947年4月、敗戦直後の旧満州国(現、中国東北部)に生まれ、大分県別府市で育つ。東京教育大学(現、筑波大学)大学院博士課程単位取得中退後、秋田大学助手、文教大学専任講師、千葉大学助教授・教授、東京学芸大学大学院博士課程教授(兼任)、小学校検定教科書国語編集委員、NHK教育テレビ番組委員、ドイツのアーヘン工科大学(RWTH Aachen)客員研究員、千葉大学教育学部附属幼稚園長などを歴任し、現在、千葉大学名誉教授、日本国語教育学会常任理事、保育と自然をつなぐ研究会ウレシパモシリ顧問、言語教育研究会会長、プラチナエイジ振興協会名誉アドバイザー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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虎哲