出版社内容情報
名門・奈良女子大学附属小学校「体育学習の秘訣」を公開
本書の概要
大正期から伝統として長く守られ続けてきた「奈良の学習法」。この令和時代においても着実に継承され、その到達点が本書にある。徹底した子ども主体の体育学習を通して紹介する。
「子どもの自律的な学習力をどう育むか」
奈良女附小の伝統的な学校行事などと、本書のメインテーマでもある「運動ランド」の実践をもって解説する。
本書からわかること
「体育は嫌いだけれど、運動は嫌いではない」
学校体育の最も大きな目標のひとつに、「生涯にわたって運動に親しむ資質・能力を育むこと」がある。にもかかわらず、学校での体育の経験を通して、生涯にわたって運動に『親しまない』と思うようになることも…。
その声のひとつに、
「みんなと同じことをしているうちに、自分は運動が得意ではないのだとよくわかった」がある。
学校体育が目指すべきことは何か。
本書では、その答えを徹底して追究された、子ども主体の「運動ランド」の実践で紐解きます。
子どもの生活と学習をひとつにする奈良の学習法
奈良女の伝統に「学習即生活、生活即学習」がある。
子どもにとって生活と学習があるというのではなく、子どもにとっての学習は生活そのものであり、子どもは生活することによって学習しているのだという考えである。また、「学習とは、ひっきょう疑うたごうて解くことの反復」という学習観も持つ。つまり、「学習するということは、つまるところ、生活の中の疑問を見つけ、その疑問を解いていくことを反復していくということ」。
このような理念のもと、奈良女が今尚続けている伝統的な学校風景を描く。間違いなく必見の内容。
運動ランド
運動ランドとは、一人ひとりの子どもが、本気になって自分の追究に向かう体育学習。教師のすじ道に子どもを合わせるのでなく、一人ひとりの子どものすじ道を一緒につくり出していく体育学習である。
また、子どもたちの技能を育みながらも、体育だからこそ発揮される思考力や判断力や表現力に目を向け、体育だからこそ育まれる学びに向かう力や人間性までにも目を向ける。
本書で詳説する「運動ランド」には、自分の課題を切り開き、個性的な追究力を引き出すことを目指している。
1年生から6年生までの実践内容を紹介。
こんなひとにおすすめ
体育を専門とする先生におかれては、まちがいなく必見。
一人ひとりの個性的な学びに寄り添いたい。しかし、子どもの学びが這い回ってしまう。そんな方や、本当に質の高い学びを実現したいという方におすすめである。
内容説明
学びの個性化・指導の個別化とは言いますが、一人ひとりの個性的な学びに寄り添った個別の指導で、子どもの学びが這い回ってしまうことはないのでしょうか。そうした考えの学習で本当に質の高い学びを実現することができるのでしょうか。本書は、そんな疑問に答える体育学習の実践をまとめた一冊となっています。
目次
第1章 体育で本当に育みたい資質・能力とは(生涯にわたって運動に親しむ資質・能力は育まれているのか?;学校体育が目指すべきことって何だろう ほか)
第2章 子どもの工夫を引き出し、動きを高める体育学習(子どもの工夫を引き出す体育学習;多様な価値観で進める体育学習への意識改革 ほか)
第3章 子どもの生活と学習をひとつにする奈良女附小の学習(体育学習を生活に広げる;生活と学習をひとつにしていく ほか)
第4章 子どもの自律的な学習能力を育む運動ランド(1年生の運動ランド;2年生の運動ランド ほか)
著者等紹介
阪本一英[サカモトカズヒデ]
1964年京都府生まれ。奈良女子大学附属小学校校副校長。滋賀大学教育学部卒業。滋賀県草津市立玉川小学校・老上小学校(7年間)を経て、平成7年より奈良女子大学附属小学校に勤務。平成31年3月に福井大学・奈良女子大学・岐阜聖徳大学連合教職開発研究科修了。平成31年4月より奈良女子大学附属小学校主幹教諭、令和3年4月より現職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。