内容説明
地方公立進学高校の教師には、大都市圏との「教育格差」縮小という使命が与えられてきた。大学進学熱が高まる1990年代、公立でありながらトップクラスの受験結果を残すことを課せられた教師は、どのように「進学校」制度を確立したのか。受験結果を教師が請け負う「受験請負指導」が、「進学校」制度として確立・変容する様子を描く。新制度派組織論をもとに、教師の行為を理解する新たな枠組み「文化‐認知的制度モデル」を提示する。
目次
序章 高校教師の行為はいかに理解できるのか(「地方公立進学高校制度」の制度化;「地方公立進学高校制度」の変容;高校教師の行為を理解する新たな説明図式;「文化‐認知的制度モデル」と新制度派組織社会学;本研究の方法および調査概要;本研究の構成と各章の概要)
1 理論編(高校教師の行為を形作る認知的枠組み概念の検討;新制度派組織社会学における分析概念の検討)
2 分析編(東北地方A県における受験指導重点化施策;X高校の受験請負指導の確立と継承;Y高校への普及と「地方公立進学高校制度」の完成;「地方公立進学高校制度」の脱制度化と帰結)
終章 「文化‐認知的制度モデル」の提示と「地方公立進学高校制度」の行方(分析結果の概要;高校教師の行為を理解する「文化‐認知的制度モデル」の提示;「地方公立進学高校制度」の行方)
著者等紹介
中村知世[ナカムラチヨ]
中村(冨田)知世。1987年生まれ。東京大学大学院教育学研究科博士課程修了(2019年、教育学博士)。日本学術振興会特別研究員を経て、大月市立大月短期大学経済科准教授。専攻:教育社会学。主要業績:「公立進学高校の授業時間配分と正当性」『子ども社会研究』20号(日本子ども社会学会、20周年記念論文・優秀論文賞受賞、2014年)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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かりん
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