出版社内容情報
子どもの頃に始めたスポーツ。大好きだったその競技を、親やコーチの厳しい指導に嫌気がさして辞めてしまう子がいる。あまりにも勝利を優先させるコーチの指導は、ときとして子どもにその競技そのものを嫌いにさせてしまうことがある。それはあまりにも悲しい出来事だ。
一方で、コーチの指導法一つで、スポーツだけでなく人生においても大きな糧になる素晴らしい体験もできる。本書はスポーツのみならず、人生の勝者を育てるためにはどうすればいいのかを詳述した本である。
著者は、若者向けスポーツコーチ法PCA(ポジティブ・コーチング・アライアンス)メソッドを提唱してきたジム・トンプソン。彼を支持するコーチとして、NBAでシカゴ・ブルズのヘッドコーチとして有名なフィル・ジャクソンがいる(本書の冒頭に序文を掲載)。
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第1章では、「勝利がすべて」ではないというメンタルモデルを紹介している。一方で、ポジティブ・コーチングの誤解についても説明。また、ダブル・ゴール・コーチにおける二つの目標「勝つこと」と「人生の教訓」についても解説している。
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第2章では、勝者を再定義する。スコアボード上の勝者(つまり、得点至上主義や勝ち負けにこだわる)ではなく、熟達する(努力や学習等によって自分が成長すること)ことも勝者として定義している。熟達に重きを置くことでアスリートの不安(パフォーマンスの出来不出来による勝敗への不安)を解消させ、人としての成長にも期待ができる。熟達させるための指導法も掲載している。
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第3章では、エモーショナルタンク(Eタンク)を解説している。エモーショナルタンクとは文字通り、感情のタンクで、理不尽な指導等を続けると子供たちのEタンクは枯渇してしまう。良いプレーはしっかりと褒め、期待し、感謝することが大切だ。指導と褒める比率は大体1:5とも言われている。Eタンクを満たして、プレーの向上だけでなく心の知性も高めることが重要である。
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第4章では、競技に敬意を払う、つまりスポーツマンシップを大切にすることについて述べている。ルールを守る、対戦相手に敬意を払う、審判の裁定を尊重する、チームメイトを大切にする等である。
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第5章では、チーム文化を「まあまあ」から「いい!」にするためにどうするかを解説している。価値観を合わせ、どのように行動するかを決め、チームでの共通言語を定め、コミュニケーションを密にし、家族のようなフィーリングを心がける。
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第6章では、いい!チームにするための練習計画を考える。第7章では、試合を通して選手を育てるためにはどうするかを考える。
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第8章は、保護者のためのコーチングについて解説する。人生で成功を収めるというセカンドゴールの大切さを知ってもらう。
内容説明
勝つことを目指しつつ、スポーツを通じて人生の教訓や健やかな人格形成のために必要なことを教える!全米で絶賛されたユーススポーツコーチングの教科書、待望の邦訳!
目次
第1章 「勝利がすべて」を超えて―ダブル・ゴール・コーチ
第2章 「勝者」を再定義する―スコアボード上の勝者から熟達の勝者へ
第3章 エモーショナル・タンクを満たす
第4章 競技に敬意を払う
第5章 チーム文化を「鳴らない」から「鳴り響く」に変革する
第6章 ダイナミックな練習とチーム文化の創造
第7章 記憶に残る試合をする
第8章 セカンド・ゴールを目指す―保護者のためのコーチング
著者等紹介
トンプソン,ジム[トンプソン,ジム] [Thompson,Jim]
スタンフォード大学アスレチック・デパートメント(スポーツ部を統括する独立部署)に設置された非営利組織ポジティブ・コーチング・アライアンスの創始者。スタンフォード大学にて、リーダーシップ、コーチング、スポーツとスピリチュアリティに関する講義を行っている
鈴木佑依子[スズキユイコ]
1980年愛知県生まれ。慶應義塾大学法学部政治学科卒。大手総合商社に12年間勤務。うち4年間はマレーシアとシンガポールに駐在。世界各国との契約交渉を担当し、某国の外務大臣、エネルギー大臣の通訳含め、英和・和英の翻訳・通訳業務も行っていた(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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