内容説明
編者たちは、本書のタイトルを敢えて「知と人間関係を築く理科学習」としました。科学的な見方・考え方の習得は、知的葛藤を伴う豊かな人間関係の中でのコミュニケーションとネットワークづくりを通して行われていくものと確信しているからです。教育観・子ども観そのものを見直すとともに、授業の中での教師自身のあり方を問い直さなければ何も生まれてこないのではないかと訴え始めたのがソニー教育資金受賞校連盟福岡南支部の若い教師たちです。その主張は、子どもたちと共につくる理科学習という視点に立って、もっと子どもの論理に寄り添い、授業の変革を試みていけば、子どもたちは、自らの科学的な見方・考え方を限りなく発展させていく可能性が生まれるのではないかというものでした。編者たちの研究は緒についたばかりですし、理念はあるがモデルがない、経験の未熟さ故に実践力が不足しているという厳しさの中での取り組みでした。ただ、本書に掲載した実践例は、現段階における福岡南支部会員の精一杯の取り組みの結果です。今後の実践的研究の更なる充実を誓いながら、ここに提案します。
目次
第１章 これからの理科教育の方向と実践研究の展望
第２章 科学知の構成に向けて
第３章 授業改善の方向
第４章 実践事例
第５章 子どもの見方・考え方さぐる実態調査事例
