出版社内容情報
ピラミッドから現代建築まで、偉大な建築物を生み出すには人力から始まり水力や石炭、ガス、電気、石油など、さまざまなエネルギーが動力として用いられた。さらに完成した建物の維持にもエネルギーが必要とされた。
本書は、建造物と、それを生み出したエネルギーとの関係を何千年にもわたって辿った、壮大な人類史である。人類が様々なエネルギー源と出会うことで浮上したのが、環境問題である。石炭の使用により大気汚染、労働者の健康や生活環境の悪化がみられるようになった。
そして建築技術が発達した現代、大量の建造物の建築・解体・再建築が繰り返されることで資源の問題も生じる。「持続可能な社会を見据えた建築」とは何か。SDGsの観点からも、非常に興味深い作品である。
200点の写真とスケッチ掲載。建築家・デザイナーの隈研吾氏推薦。
目次
第1部(あまりエネルギーを使わない暮らし;農耕、都市、記念碑;我らと彼ら―パルテノンとパールサ;エネルギーの急成長―ローマ帝国と中国宋王朝;「権力の大きさを示す指標」とは?―伝統、エネルギー、モスク ほか)
第2部(レンガとモルタルの行進―石炭と都市;「全世界が望むもの」―ヴィクトリア朝のリヴァプール;形は燃料に従う―アメリカの産業と建築;「速度の美」―石油と電気の勃興 一九一四‐三九年;計測するまでもないほど安い―戦後ブーム 一九三九‐九〇年 ほか)
著者等紹介
カルダー,バーナバス[カルダー,バーナバス] [Calder,Barnabas]
イギリスの建築史家。リヴァプール大学の上級講師を務める。専門分野は人類の歴史を通してみた建築とエネルギーの関わり。近年は1945年以降につくられたイギリスの建築の研究にも携わる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。