内容説明
1の三章は、近世の文語の研究課題と構想について考えたものである。最初の二章は分量の関係で二つに分けた。第三章は『玉あられ』に指摘されている事例を通じて、平安時代の文法と近世文語における文法との違いを検証しようとしたものである。2の二章は動詞に関するものである。動詞でも特に活用について問題にしたもので、初め第四章は「四段動詞の下二段化的現象」、第五章は「下二段動詞・サ変動詞の四段化的現象」という題名を考えたが、このような現象が生まれるようになった原因として、特定の活用形の造出の仕組みを考える必要があり、それぞれ「靡語形」、「非靡語形」という言い方を用いて論文名とした。3の諸論文は、第七章を除き、第六章から第十章までは形容詞の諸問題を取り扱い、第十一章・第十二章は形容動詞の問題について考察したものである。第七章は第六章との関連性を考慮してここに収めた。なお、形容動詞についての考察は分量の関係で二つに分けた。4の二章は副詞と接続詞に関するものである。
目次
1(近世文語研究の課題;近世文語と中古語法との距離―本居宣長の『玉あられ』を通じて)
2(四段動詞の靡語形;下二段動詞・サ変動詞の非靡語形)
3(形容詞補助活用の活用形造出ならびに機能拡大;形容詞型活用助動詞の活用形造出とその用法の一面 ほか)
4(「かならず」と「かならずしも」―交錯から分化へ;接続詞の様相)
著者等紹介
鈴木丹士郎[スズキタンジロウ]
1938年新潟県生まれ。新潟大学教育学部卒業。東北大学大学院博士課程単位取得満期退学。国語学専攻。専修大学文学部教授
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