出版社内容情報
七世紀から始まるイスラーム教の活動によって建造されたモスクやミナレット(塔)をはじめとするイスラーム建築の精華。豊富な写真を収めて解説を加える。
内容説明
モスクやミナレット(塔)の秀麗な造形や繊細な内部装置・模様…その起源・歴史的展開が明らかに。
目次
1章 教祖と建築
2章 イスラームの広がり
3章 ドーム
4章 ミナレット
5章 ミフラーブ
6章 ムカルナス
7章 幾何学性
8章 イスラームの美
著者等紹介
深見奈緒子[フカミナオコ]
1956年生まれ。東京都立大学大学院修了。現在、東京大学東洋文化研究所非常勤講師
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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syaori
60
タージ・マハルやアルハンブラ、西洋の直線的な建築とは違った魅力をたたえているイスラーム建築。そんなイスラーム建築の特徴であるドームやミナレット、幾何学性などがどのように伝播していったのか、その意味するものは何なのかを通して、多様な地域、民族に広がったイスラーム世界の志向したもの、美意識などを教えてくれる本。イスラーム文学では現世の儚さ、美を絢爛に眩惑的に歌い上げたものに出合うことがありますが、そんな美意識が建築にも通じているように感じられて興味深かったです。口絵を眺めているだけでも夢見心地の一冊でした。2019/08/14
姉勤
29
タマネギ型のドーム,四方に聳える塔,アーチ,幾何学模様にモザイク,etc..モスクに代表されるイスラム建築。開祖ムハンマドの頃の道場は質素で規模も小さく、布教の中で各地の様式を吸収し、モンゴルやアラブ諸族の遊牧騎馬民族の征服者たちが、新興宗教であるイスラームを利用し、征服地をリストラしていった一方、寛容の中で、その土地の文化と技術を認め、吸収し、現在に通じるイスラム建築が出来たと解釈した。そのベースにはペルシャとインドがある。いくら原理主義を唱えたところで純粋な物なんてものは無く、どっかで繋がってんだね。2014/05/20
アメヲトコ
7
2003年刊。イスラーム建築の特徴を、ドームやミナレットなど、その構成要素ごとに解説した一冊。写真がかなり豊富で、幾何学美の極致とも言えるイスラーム建築を堪能できます。イスファハーン行きたい……。2022/12/23
ジュンジュン
6
広範囲に分布するイスラーム建築は、各地域の特性と融合して多種多様。そのなかで、イスラーム建築とはこれだ!というパーツを取り出して共通性を見出そうとする試み。ドーム、ミナレット、ミフラーブ(メッカを示す窪み)、ムカルナス(アーチ下の装飾)…。写真がふんだんで助かる。原理主義の頑ななイメージと違い、建築様式に関しては他文化吸収に柔軟性があり、特にペルシャの影響が大きいように感じた。2020/06/26
ss_u318
6
イスラーム建築の特徴と歴史を、宗教学と世界史と民俗学的な観点から紐解いていたと思う。写真が多くて見やすかったw 知識があればすごく丁寧で分かりやすい本なのだろうと思う。もう少し勉強してからまた読みたい。2019/05/27