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内容説明
18世紀、アメリカ独立革命期のヴァージニア。プランテーションで働く“黒人奴隷”は、どのようなものを着ていたのか。実物の現存が皆無の研究条件のなかで、著者は、当時の「逃亡奴隷広告」に記された黒人奴隷の逃亡時の被服描写やプランターの手紙・帳簿などの諸史料、あるいは出土資料、復元した被服素材などを悉く現地調査した。さらに、今は使用されなくなった多種の被服素材を逐一検証し、また史料・関連文献をデータベース化して解析しながら、服飾学と歴史学の確かな眼をもって、彼らの衣生活の実相に切り込んだ。そして、黒人奴隷の着衣のイメージや、当時の有力プランターの被服管理の実情等を、当該期アメリカ史の流れのなかに位置づけることに成功した。アメリカにおいても未開拓の研究領域に真正面からアプローチし、上流階級のきらびやかな服飾史とは異なる中産下層の民衆の衣生活を描破した画期的な労作。
目次
序章(目的と方法;研究史 ほか)
第1章 歴史的背景(アメリカ独立改革と合衆国の成立;ヴァージニア植民地の成立 ほか)
第2章 史料としての逃亡奴隷広告(被服描写の史料的価値;被服情報の数量化 ほか)
第3章 逃亡奴隷の着装情況―その数量的アプローチ(奴隷の被服の種類と素材の特徴;男子の逃亡奴隷の着装実態 ほか)
終章
付録 資料編
著者等紹介
浜田雅子[ハマダマサコ]
1965年神戸大学文学部史学科西洋史学専攻卒業。1988年武庫川女子大学大学院家政学研究科被服学専攻修士課程修了(家政学修士)。現在、武庫川女子大学生活環境学部教授。家政学博士。所属学会には、国際服飾学会(理事)、ユネスコ・イコム・コスチューム部門、アメリカ服飾学会(The Costume Society of America)、アメリカ学会、初期アメリカ学会、日本風俗史学会、日本家政学会他
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