内容説明
統計学を、理系のみならず文系の学生にも読破できるように工夫された入門書。観測データの記述から、モデルとしての確率分布、推測統計の基本である推定および仮説の検定までを解説している。貯蓄や所得の分布、各国の平均寿命、賭けを中断したときの分配問題など、具体例を読みすすめれば、誰にでも統計学的な考え方が理解できるように書かれている。“ティータイム”では、統計学の歴史的話題や統計学者の横顔を興味深く紹介した。
目次
第1部 観測データの記述(統計的分析の特徴;データの記述―度数分布表の作成;データの記述―中心の尺度;データの記述―バラツキの尺度)
第2部 観測データをもたらしたモデルとしての確率分布(確率モデルと確率分布;2項分布とポアッソン分布;幾何分布と負の2項分布;正規分布;正規分布の応用・品質管理;対数正規分布)
第3部 確率分布のパラメータ推定および仮説検定(記述統計学から推測統計学へ;“スチューデント”のt分布の発見;パラメータ推定―モーメント法と最尤法;統計的推定;統計的仮説検定;仮説検定の実例)
著者等紹介
蓑谷千凰彦[ミノタニチオヒコ]
1939年12月岐阜県高山市生まれ。1962年慶應義塾大学経済学部卒業。1982年慶應義塾大学経済学部教授。1982年慶應義塾大学大学院経済学研究科教授。2005年日本大学大学院総合科学研究科教授(現在に至る)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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がっち
1
これからはじめると書いてあるわりには、難しくないだろうか?具体例があってとても良い本なのだが、文系出身者がこれを読もうとしたら、間違いなくくじけるだろう。だいぶ事例重視となっているため、詳細な説明をはしょった感もある。2013/05/13
まさきち
0
数式だけ書いておけば説明したと思ってる凡百の統計の教科書が多い中,相当読者を想定している本.確率分布の平均値と分散を「退屈な説明」とか言っちゃう正直さがいい.実例が出せるところは,丁寧な説明とともにきちんと出しているし,ティータイムとして挟んであるコラムからは,著者のしっかりとしたバックグラウンドを感じる.長文をきちんと読む力があれば,教科書として優秀.練習問題などは用意されていないが,統計を数学の亜種と思っていない証拠で好感がもてる.2017/09/28
ぬけさく
0
これからはじめてはいけません笑2015/11/18
yasuhitoakita
0
好著。数式の意味と統計史への言及が多い。ただし演習問題は皆無なので、別の本で補うこと。2019/02/03