内容説明
ニュートンが局所的な時間という概念を導入し、微分という数学により打ち立てた古典力学は、その後、質点の集まりである「系」としての運動を追究する方向で発展してきた。この本では、そうした「力学系」といわれる分野での、数学と物理の絡み合いや発展をみる。ポアンカレ写像、ルベーグ積分、エルゴード理論と整数論など、現代数学の知恵の結集から、自然の複雑な振舞いを解き明かす論理が導かれ、新たな世界観が開けてくることを感じるだろう。
目次
1 ニュートンのアイディア『自然はとてもシンプル』
2 ベクトル場で考える―解けないときにも
3 偏微分方程式とハミルトン力学系
4 力学系とは、その1、位相力学系
5 力学系は一筋縄ではいかない
6 力学系とは、その2、可測力学系
7 エルゴード定理とエルゴード性
8 なぜ、複雑な挙動をするのか
9 エルゴード理論と整数論
10 発展的話題
著者等紹介
森真[モリマコト]
1970年東京大学理学部数学科卒業。1973年東京大学大学院理学系研究科修士課程修了。1997年日本大学文理学部数学科教授
水谷正大[ミズタニマサヒロ]
1978年早稲田大学理工学部物理学科卒業。1986年早稲田大学理工学研究科博士課程修了。2005年大東文化大学経営学部経営学科教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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