内容説明
好奇心や常識の重要さ、科学者の老化現象、潜在意識の役割、インチキな大発見を見破る法。一度は読んでおきたい珠玉の科学論。
目次
1章 科学における創造の動機(好奇心、自己表現、自己の能力の確証;不思議だと感じる能力、科学における美の概念)
2章 水面下の暗礁(有益な批判;偽りの「大発見」の見分け方;迷信について;理解と研究とどちらが先か;ミューズの神々はうぬぼれを憎悪する;科学の境界外の問題;科学者が「年をとること」)
3章 どのように科学的探求をおこなえばよいのか(潜在意識の役割;想像力の最大限の活用;研究のスタイル;見通しのしっかりした仕事とそうでない仕事;20世紀後半の新しい研究スタイル ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
gonta19
7
1995年頃、大学時代の恩師からいただく。 2011/8/20〜8/31 再読 大学時代の恩師が確か定年退官されるときにいただいた本。事情があって再読した。ロシアの物理学者ミグダルが書いた、科学する上での思考法、態度など、珠玉の名言が並ぶ。最近は哲学なく研究する人が増えているが、研究に携わる人は読んでおいて損はないと思う。(といっても現在絶版のようであるが) 巻末の科学者の人物解説も素晴らしい。 こういう本を弟子に渡す先生も素敵である。2011/08/31
MAT-TUN
5
企業、大学を問わず科学技術に携わるあらゆる人の必読書かも。①科学における創造の動機②暗礁③科学的探求の進め方の3章からなる100ページの小編。科学者の力量を鈍らせる「老齢化」の指摘にギクッときた。経験をつんだ科学者が、若い人に通常の仕事をまかせっきりにしてまうと計算や思考も任せることになる。その結果、年齢にかかわらず不思議さを感じ取る力や勉強しようという欲求が消え、うぬぼれや自尊心が現れる老齢化が始まるという指摘だ。他方、自分の仕事を愛する科学者は最後まで独創的な仕事ができるという指摘には大いに励まされる2012/09/15