感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
absinthe
163
立ちはだかるアイガー北壁と、立ち向かう人の戦いを描く山岳秘境冒険小説。軍事機密がらみの目的でアイガー登攀を成功させる必要に迫られる独兵とそれを追う米兵。巨大な山の前に、人の存在はもはや蟻の様。人の争いなどいかに小さなつまらないものであったのか。敵は過酷な大自然。後半の登攀シーンは一気に読ませる。確執のあった仲を超え、米独の争いも超え、ついには自然と人間の戦いとなった。2022/10/06
KAZOO
127
私はこの作品は非常に名作だと思います。夢枕さんの「神々の山嶺」と並んで山岳ミステリーとしては後世に残る作品です。私も何度か読んでいて、実際にアイガーなどにも電車のトンネルからですが覗いて主人公たちの気持ちに近づいたこともあります。夏に読むといいと思います。2017/08/17
KAZOO
106
何度目かの再読です。山岳小説と冒険小説・ミステリーの要素を入れこんだもので読後感は満足します。それとロマンス的な要素も少し感じられます。いまはアイガー北壁というのもあまり話題にならなくなりましたが、むかしは結構難所ということで山登りの人には知らない人はいなかったと思います。ヒマラヤほど高い山ではないのですが。2018/09/28
ehirano1
95
14~5年くらいぶりに懐かしい本を読みました。私の本棚はアップデートを繰り返しますが、この年月を経ても手放さなかったのはそれなりの理由があるのではないかと思います。興奮に包まれながらも読後はそっと本を閉じ、祈りさえしたくなる。私にとってそんな作品です。2024/02/18
ペグ
90
ずっと本棚で待っていてくれた本。嵐のアイガー北壁を命懸けで登攀する主人公達に息苦しさと共にハラハラしっぱなし。ジャック・ヒギンズの推薦文を読むまでもなく、超ド級の冒険小説。エピローグでえっとなったけど、これに関しては賛否が分かれるところだと思う。わたしはいらなかった。読者の想像に任せるほうが好きだから。2020/06/30