内容説明
アメリカ海軍の切り札、空母ほどに巨大な原子力潜水艦〈インペレーター〉。ハイテク兵器を満載したこの黒いモンスターは、いま北極海をめざしていた。ソ連が北極海の軍事的支配をもくろんでいるのだ。断固阻止せねばならない。だが、すでにソ連潜水艦部隊の精鋭は、モンスターを仕留めるべく厚い氷の下で待ち受けていた。無数の魚雷が飛び交う沈黙の戦場で、虚々実々の駆け引きの果てに生き残るのは…。ハイテク軍事スリラー巨編。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
マサトク
1
超巨大原潜出動が副題で、その名の通り、潜水空母=揚陸艦とでもいうべき超巨大潜水艦〈インペレーター〉の北極海への処女航海にしてソ連潜水艦隊との戦いを描く。単に海戦をリアルに描くのではなく、それを操る提督たちを、サブストーリー含めて綿密に描き出すところが魅力。潜水艦戦は、敵味方の魚雷が発射されてから命中、そして沈没までにタイムラグが存在し、かつ状況把握が完全にはできない。だから〈チョーク・ポイント〉といった著作と比べれば地味だけど緊迫感あふれる戦いが描写されるのが良い。時代性はあるものの面白い作品。2021/10/02
