内容説明
新会長を誘拐した。助けたくば、提供するフィルムを無修正でニュースとして放映せよ。BBCを窮地に陥れた犯人は、さらに当該フィルムのレポーターとしてメリンガーを指名してきた。一度は捨てた世界へと否応なく連れ戻されるメリンガー。―だが、彼はまだ知らない。待ち受けているのが、雪の原野に繰り広げられる凄絶なマンハント、狩る者と狩られる者の死闘であることを!『北壁の死闘』の著者が描破する、迫真の処女長編。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
hit4papa
29
異形の英国元特殊部隊隊員が、誘拐した五人の男女を異境の雪原で解き放ち、狩りたてるというお話。逃げきれれば命が助けるという約束を信じ、厳冬の最中、武器はおろか防寒具もない5人は必死の逃亡劇を繰り広げます。ガイドは追手に指名されたのは、引退したテレビレポーター。設定はバッチリ、出だしは好調、クライマックスの生き残りをかけた戦いはスリリングです。しかしながら、本筋から外れる余計な横道があったり、唐突なラブラブがあったりと興を削いでしまいます。何故5人が誘拐されねばならなかったのか、に納得がいかないのが残念です。2018/02/05
tai65
2
星5つ2021/11/03
ぼくねこ
1
冒険小説の名作『北壁の死闘』の作者ボブ・ラングレーが1977年に発表した処女作。誘拐されたBBC会長の身代金として誘拐犯が要求したものは、とある"フィルム"を放送することだった。誘拐犯を追うスタイナー警視長と、誘拐犯に拉致されフィルム制作を強要される元レポーター、メリンガーの視点が交差しながら物語は進む。誘拐犯の狂気に狩られた不可解な犯行も恐ろしいのだが、作者の得意とする雪山での冒険劇にこそ、サスペンスとアドベンチャーの醍醐味が感じられる。中途半端に終わってしまう挿話とラストが気になるのが唯一の欠点。2022/03/01
uburoi
1
雪山を舞台にした人間狩りサスペンス。BBCの会長が誘拐されて、それから立て続けに6人の男女が監禁される。ジェイソンみたいな怪物が環境問題に腹を立てて復讐するという涙無くして読めない冒険小説。2012/03/05