出版社内容情報
「あなたの眼が見たい。わたしは傷ついたりしないわ」地球から来た少女にせがまれ、月世界生まれの彼はゴーグルを外した。これは犯罪行為だった──地球に存在しない、表現しようのない色の眼を直視した者は錯乱するからだ。官憲の手が迫るなか、彼は疑問を抱く。なぜこんな制約を受けるのか。語られぬ真実を暴くため、彼は仲間たちと、月の裏側の巨大な紙の本の図館を目指す。訳者あとがき=茂木健
内容説明
「あなたの眼が見たい。わたしは傷ついたりしないわ」地球から来た少女にせがまれ、月世界生まれの彼はゴーグルを外した。これは犯罪行為だった―地球に存在しない、表現しようのない色の眼を直視した者は錯乱するからだ。官憲の手が迫るなか、彼は疑問を抱く。なぜこんな制約を受けるのか。語られぬ真実を暴くため、彼は仲間たちと、月の裏側の巨大な紙の本の図書館を目指す。
著者等紹介
タニー,スティーヴン[タニー,スティーヴン] [Tunney,Stephen]
1959年、アメリカ合衆国ニューヨーク生まれ。美術学校を卒業後、画家、シンガーソングライター(ドッグボウル名義)として活動。92年に長編Flanで小説家デビュー
茂木健[モギタケシ]
1959年生まれ。翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
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橘
31
とても面白かったです。地球には存在しない「第四の原色」を、わたしも見てみたくなりました。たとえ錯乱しようとも、惹きつけられてやみません。月を舞台にした、青春ものとも感じられました。「100%月世界人」たちの虐げられる様は、辛い描写でした。でも、「100%月世界少年」って素敵な響きです。ヒエロニムスと母親のラスト、良かったな。続きがありそうなので気になりました。2016/11/20
七月せら
19
その色を見ただけで人々を錯乱に至らしめる第四の原色。月世界にだけ存在するその色を瞳に宿す少年少女達と、長年に亘り荒廃した月社会の裏側に潜む陰謀の物語。地球の住人と月の住人、学校の問題児クラスとトップクラス、本来知り合うはずのなかった彼らが一人の100%月世界少年を介して出会い、それぞれの事情で月の裏側、真実の眠る場所へ近づいていく旅路は当然一筋縄で行くはずもなく、手に汗握りました。彼らが繋いだ未来への細い糸の行く末が気になります。2017/07/06
月夜乃 海花
17
図書館で借りて返してを繰り返し、やっと読了しました。SF要素もありましたが、どちらかというと海外のヤングアダルトの要素が強いように思いました。 そして、まだ続きそうです。これ。 だって、謎が解明されてないもん。 モヤモヤするなぁというのが本音でございます。2018/06/04
紫伊
14
「第4の原色」、地球には存在せず、一部の月世界の人間の瞳にのみ宿る色。それを保有する100%月世界人。その瞳の色を見た人は錯乱してしまう。そんな瞳の歴史と真実を巡る物語であり、ボーイミーツガールであり、紙の本が一般ではなくなった世界であり、学校内格差問題であり……、それは一人の普通の女の子に弱い100%月少年を巡る物語。設定、内容、ネーミングどれももとても好きなので続編が出るのが楽しみです。2017/03/11
冬見
12
2000年後の未来。月世界には見た者を錯乱させる眸を持つ人々がいた。地球からやってきた少女にせがまれゴーグルを外し犯罪者として官憲に追われることとなった少年は、凶眼症者が受ける制約にまつわる真実を求めて仲間たちと月の裏側の図書館を目指す。◆タイトルに惹かれて購入。ヤングアダルトっぽい雰囲気。幕切れも好きだなあ。そう簡単に全てが解決するわけでも、ひっくり返るわけでもないけれど、可能性だけは託されて繋がってゆく。近い将来、もしかしたら。スリューが切れ物で主人公と物語をぐいぐい引っ張ってゆく姿がかっこいい。2022/03/20