出版社内容情報
そうそうたる顔ぶれによる、2010年の日本SF短編の精華。今年度版には13編を収録した。コミックや同人誌作品も収める。巻末には第2回創元SF短編賞受賞作を掲載。
内容説明
第2回創元SF短編賞受賞作を収録。本巻は、おそらくこれまでで最もSF濃度の高い一冊になったと思う。今年は対象作品全体に占める直球SF作品の数が、例年になく多かったためである。第一世代の超ベテランから未知の新人まで、14人の作家の手になる2010年の日本SFの収穫―。
著者等紹介
大森望[オオモリノゾミ]
1961年高知県生まれ。京都大学文学部卒。翻訳家、書評家
日下三蔵[クサカサンゾウ]
1968年神奈川県生まれ。専修大学文学部卒。書評家、フリー編集者(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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- 評価
COSMOS本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
みっちゃん
51
上田早夕里さんの【華竜の宮】と同じ世界観の短編が収録、と知り読んだのですが、一番衝撃を受けたのは長谷敏司さんの【allo,toi,toi】でした。少女を性的虐待の末に殺した主人公に、まず生理的嫌悪感が。彼に虐待を続ける刑務所の囚人の「社会正義から外れた者には何をしてもいい」という態度にはもっと気持が悪くなります。脳に埋め込まれた機器との「会話」で「人は何故異常な愛情を抱いてしまうのか」内省する男に訪れた残酷な結末。後味の悪さに心が乱されました。2013/09/07
巨峰
41
再びSF短編集。こちらは傑作佳作揃いで驚きがありました。 1作覗いて全部良かったのですが、特に良かったのを上げます。単行本を読んだことのある作家で良かったの沖方丁さん、上田早夕里さん、月村了衛さん。ほぼ初読でよかったのは、長谷敏司さん、小川一水さん、伴名練さん、谷甲州さん。2024/11/03
ポルコ
35
小川一水さんの『アリスマ王の愛した魔物 』幼い頃から算術に長けたアリスマが、恐ろしく巨大な算廠を立て何百万もの人間を計算機械にした、いわゆるスパコンファンタジー。『京』の中に脳が焼き切れてハゲた人がいっぱい詰まっている光景を想像して笑えた。津原泰水さんの『五色の船 』 欠損のある集合体である彼ら家族が戦中、くだんと言う未来の見える獣と出会う。平衡世界の概念もあり、どんよりとした和風SFながらも、ほっこり要素もあり好き。2025/06/26
あなほりふくろう
25
収録されている1編1編のどれもが半端なく濃くて、1日1、2編のペースでゆっくりじっくり噛みしめた。うぷちんの軽いジャブから始まり、上田早夕里、津原泰水、白井弓子の異形3連発のあとの機龍警察が息抜きという、このビックリな重厚感。山本弘「アリスへの決別」と長谷敏司「allo,toi,toi」を並べるこの挑発的態度。編者である大森・日下両氏のセンスも光ってる。すごい1冊だった。個人的ヒットは小川一水「アリスト王~」、上田、長谷、伴名練「ゼロ年代~」。2013/06/22
芍薬
18
「皆勤の徒」がすごすぎて自分が何処にいるか見失いました。やっぱり私は「アリスマ王の愛した魔物」「五色の舟」なんかが大好きです。2014/04/22
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