創元SF文庫
遙かなる巨神―夢枕獏最初期幻想SF傑作集

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  • サイズ 文庫判/ページ数 508p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784488730017
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

その途轍もない“巨人”は一定周期で現れ、ただ人々の上を歩いてゆく、進化の輪から完全に独立した存在だった―圧倒的な筆力で描かれた表題作、どことも知れぬ宿で二人の人物が酒を酌み交わす「蒼い旅篭で」、雪山で遭難した男の幻想譚「山を生んだ男」など、宇宙と人間の有り様を凝縮した傑作や“サイコダイバー”シリーズの原型作の他、「カエルの死」等の活字絵物語を収録。

著者等紹介

夢枕獏[ユメマクラバク]
1951年神奈川県小田原市生まれ。東海大学文学部卒。77年『奇想天外』誌に「カエルの死」が掲載されデビュー。89年の『上弦の月を喰べる獅子』で第10回日本SF大賞、第21回星雲賞を、97年の『神々の山嶺』で第11回柴田錬三郎賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

白義

12
雄大なスケールと哲学性が見事にマッチした表題作が圧倒的出来映え。山岳小説にしてダイナミックな奇想が光る「山を生んだ男」も実に夢枕獏らしい。しかしその他の短編群も夢枕獏という作家の懐の多様性を表していて、どれもその密度に気圧される。繊細で美しい「木犀の人」、ポストホロコーストファンタジーの傑作「蒼い旅籠で」、そしてテクストの物質性を利用して音楽性やカタストロフを表現したタイポグラフィクション集と、初期から凄まじい才人だったことを認識させられた2013/01/14

yoshi

9
表題作含む11のSF短編集。ただ前半はSFというより、怪談のような怪しい雰囲気。白い巨人が出てくる表題作は、老人と少年という定番の組み合わせに異人をというスパイスを加え、不思議な余韻を残します。また以降の作品の原点となる、過酷な冬山との戦いを更に過酷にした"山を生んだ男"、他人の精神に入り込む"てめえらそこをどきやがれ!"は安定の面白さ。お気に入りは、金木犀の精霊?との邂逅が語られる、ちょっと切ない雰囲気の”木犀の人”でした。2020/11/15

あつべよしき

4
夢枕貘の初期作品(小説とタイポグラフィクション)が収録されている。多分、純粋なタイポグラフィクションを読んだのはこれが初めてかもしれん。文字の視覚的要素って思ったよりデカい。『木犀のひと』『わらし』『山を生んだ男』『遥かなる巨神』が好き。理屈をぶっ飛ばすパワーがある作品はマジにいいなー。2023/03/06

雑食奈津子

3
表題作「遙かな巨神」に姉を生け贄にされた老人は迫る死期の中、巨神への復讐は正しいことなのか自問自答する。「てめえらそこをどきやがれ!」サイコダイバーというシリーズの原点らしいが作品を知らない。ところがこれがかなりおもしろい。エロとグロのオンパレードとはいえ、時代が時代だったからヒットしたのかしら。今ならこのくらいのグロはよくあるけれど、それにしたって今の売れっ子作品をすべて先取りしたようなストーリー。主人公がおれはイケメンと自信満々で言うのもすごい。現代じゃありえないね。2019/02/15

SAT(M)

2
作者が同人誌などに作品を発表していた時代の初期作品集。純文学チックで静的な文体の「木犀のひと」から、SFエンターテイメント風の「てめえらそこをどきやがれ!」まで、作風の幅が広く、それゆえにハマるハマらないの触れ幅が大きかったです。個人的には、大きい眼球を持つ男が”もうひとつの世界”を求めて猟奇的事件を起こす「消えた男」がツボでした。こういった、わけの分からない、それゆえに色々な読み方ができる作品が大好物でして。2015/11/15

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