内容説明
自由惑星同盟でクーデター勃発。叛徒鎮圧の命令がヤンに下るが、首都を制圧したその首謀者は、彼が篤く信頼を寄せていた人物だった。一方帝国でも、皇帝崩御以降激化する貴族間の権力闘争の渦中に身を置くラインハルトに、新たな試練が課されようとしていた。不敗の魔術師と常勝の天才、二人の英雄の決断が、銀河史に新たな波瀾を呼ぶ。巻措く能わざるスペース・オペラ、第二巻。
著者等紹介
田中芳樹[タナカヨシキ]
1952年、熊本県生まれ。学習院大学大学院修了。78年「緑の草原に…」で幻影城新人賞受賞。88年『銀河英雄伝説』で第19回星雲賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
カピバラKS
149
●帝国と同盟で同時発生したそれぞれの内戦を描く。●帝国はラインハルト麾下の名将達、才器抜群の副官キルヒスアイス、鬼謀の軍師オーベルシュタイン、知勇兼備の名将ミッターマイヤーとロイエンタールといった将星の活躍が眩しい。一方、同盟はヤンが諸葛孔明のような一人舞台で魅せる。●ところで、著者は皆殺しの田中の異名を持ち、物語が進むたびに主要登場人物を次々とヤっていく癖がある。本巻でもきっちりヤってくれた。通勤電車内で本を読んでいたのだが、関連シーンで泣けてきてしまい、車内の苦笑じみた目が痛すぎである。2024/06/12
おかむー
101
帝国vs同盟の直接対決だった一巻から、帝国・同盟それぞれの内乱という対照的な構成。『よくできました』。この作品がウケた要因のひとつとして、“帝国”側がラインハルトという強烈な個性ゆえとはいえ革新を推し進める気概に満ちているのに比べ、“同盟”側は腐敗した政治、淀んだ軍幹部によって軸となるヤンが手枷足枷をつけられているという従来の一般的なイメージを逆転させたところ。この巻ではやはり“彼”の死が物語の流れを決定づけるといってよい重要なポイントとなる、結果としてここでの退場は英断だったといえるのでしょうね。2016/02/14
金吾
98
○大きな一段落がつき、直接対決の準備が出来た巻です。ポピュリズムの危険性や特権階級の自浄能力の欠如等小説の中で、現実世界に警鐘を鳴らしていることが印象的です。2020/06/29
fukumasagami
95
「もうすぐだ、キルヒアイス。もうすぐ、宇宙はおれたちのものになる。」2015/01/17
いーたん
88
再読。OVA版の第一期が終了。 帝国はラインハルト陣営と門閥貴族の覇権争いによる内戦。同盟は腐敗した民主政治を是正するため、救国軍事会議がクーデター。それを鎮圧するためにヤンがヤン艦隊を出動させる。帝国と同盟の内戦は今後の両国に多大な影響を及ぼすことに。 その中でも最大の影響はラインハルトが自身のミスにより自身の半身とも言える唯一無二の親友キルヒアイスを喪失。ラインハルトだけでなく読者としてもキルヒアイスの余りも早すぎる死に喪失感を覚えます。そういえば主要人物の死にはフラグが立つ確立が高いですね。2014/07/07