内容説明
トムとヘスターはかつての氷上都市アンカレジで平穏に暮らしていた。ところがそんな日常に物足りなさを感じていたふたりの娘レンが、盗賊にだまされたうえに誘拐されてしまう。愛娘を救わんと必死で後を追うトムとヘスターがたどり着いたのは、水上都市ブライトンだった。最終戦争後の遥かな未来、移動都市が互いに食い合う奇怪な世界を描いた、星雲賞受賞作『移動都市』第三弾。
著者等紹介
安野玲[アンノレイ]
1963年生まれ。お茶の水女子大学文教育学部卒。英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
星落秋風五丈原
29
冒険好きの母と好奇心旺盛な父親の血を引いているレンがメインパートに押し出されてくる。父親になり、常識的な所が上塗りされたトムと、16年間自分を抑えながら生きて来たへスターの亀裂が決定的に。そこに現れた過去の亡霊にふらーっとなるのもある程度理解はできるが、母親としてはそれでいいのか。『移動都市』第三弾。2022/06/07
イツキ
8
前作から16年後、今までの登場人物たちは全員歳を取りそして新しい世代の人物たちも登場しています。特に年齢を重ねたことで穏やかになり一層お人好しになったように感じるトムと、一見丸くなったようでその実全く変わらないヘスターが印象的でした。トム達が穏やかに暮らしている間に世界は戦争に向けて突き進み最後はなんとも不穏な終わり方、次の4部でどういう結末になるのか。2019/04/01
すけきよ
4
冒険活劇的に次から次へとアクションがあり、相変わらずのリーダビリティ。非情さも健在(笑)ただ、エピソードとキャラが1冊にしてはてんこ盛り過ぎて、どこがメインなのかわからず、物語を追っているうちに終わっちゃう感じかなぁ。以前の主人公の娘に世代交代し、彼女の新たな冒険と思いきや、レンの印象が薄いんだよなぁ。むしろ、ヘスターのターミネーターっぷりの方が強烈(笑)。この作品のすべてと言っても過言ではない都市同士が食い合うというシーンも今回はほとんどなく、ヴィジュアル的にもイマイチ。2010/03/22
saimoon
3
前作から16年の時が経ち、ヘスターとトムの娘レンは15歳。退屈な都市から逃れたくて現れたロストボーイの言うままアンカレジ図書館から「ブリキの本」を盗み出したが、結果的に拉致されブライトンで奴隷として売られる羽目に。 前作でも鼻についたヘスターのヤンデレっぷり、まだ前作は子どもだから…と思ってたけど、16年経って拍車がかかってた…もう移入出来ない。 トム=弱いが常識的、ヘスター=強いが排他的 なキャラだからすれ違い面白くさせてるつもりなんだろうけど、実の子どもにもそれってどうなの的な。最終作で救いが欲しい。2019/04/06
cup-a-joe
3
ヘスターはヘスターである。 血筋なのか育ちなのか妻になっても母になってもへスターはへスターだった。 生き方があまりにも不器用。 でもヘスターが歩いてきた道を考えると「不器用」で済ませられるほど単純じゃないんだな。 本作は本作でとても面白い。 ストーカーファン、ドクターゼロ、レン、セオ、そしてシュライク。 いったいこの後どんな展開が待っているのか。 そしてナッツワーシー家の運命は? 次作が出るのはいつの日か。 発売されて10年たってるのに翻訳はまだなんて、「こんなの理不尽だ・・・」。 2017/05/20
-
- 洋書
- TRAINER